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高麗人参に含まれるアルカロイドとは何か

高麗人参は、古くから滋養強壮効果のある貴重な薬草として珍重されてきました。高麗人参の有効成分のひとつに、アルカロイドと呼ばれる成分があります。アルカロイドは、高麗人参特有のサポニンであるジンセノサイドや、アミノ酸、ビタミン、ミネラルとともに、高麗人参の薬効を支える重要な成分です。
高麗人参のアルカロイドはどのような成分で、どういった効果があるのでしょうか。

アルカロイドとは

アルカロイドとは窒素原子を含む天然由来の有機化合物のことで、その中からアミノ酸や核酸など別のカテゴリーに入る生体分子を除いたものの総称です。
アルカロイドは「アルカリに似た化合物」という意味をもつ言葉で、その言葉の通り、多くの場合アルカリ性(塩基性)を示します。ただし、一部のアルカロイドには中性や弱酸性を示すものもあります。

アルカロイドは、かつては植物塩基と呼ばれ、植物由来の有機化合物を意味していました。現在は植物由来の成分だけでなく、微生物・真菌・両生類などの動物が生産する成分もアルカロイドと呼ばれています。
アルカロイドには強い生理作用があるほか、ほとんどのアルカロイドには苦味があります。植物や動物は、外的から自身を守るために、こうした苦味のあるアルカロイドを生産する能力を獲得したと考えられています。

アルカロイドには非常に多くの種類があり、2008年までに12,000種類以上のアルカロイドが識別されています。
代表的なアルカロイドには、コーヒーに含まれていることで知られるカフェインや、麻薬として知られ麻酔薬としても利用されるコカイン、マラリアの特効薬であるキニーネなどがあります。

医療目的に利用されるアルカロイド

アルカロイドは少量でも強い生理作用をもっており、毒性を示すものも多く存在しています。毒性を示すアルカロイドのひとつに、フグ毒として知られるテトロドトキシンがあります。

その一方で、少量であれば身体に好影響を与える場合や、病気の治療に役立つ場合も多く、多くのアルカロイドが医薬品として用いられています。例えば、麻酔薬や鎮痛薬としてのコカイン・モルヒネや、不整脈の治療に用いられるアジュマリン、高血圧の治療に用いられるビンカミンなどがあります。フグ毒であるテトロドトキシンも、鎮痛剤として医療目的に利用されています。

高麗人参にも少量のアルカロイドが含まれています。高麗人参の根から12種類以上のアルカロイドを識別した研究論文が、1986年に発表されています。
アルカロイドには身体に悪影響を及ぼすものも多いですが、高麗人参に含まれているアルカロイドは少量であり、そうした悪影響の心配はありません。高麗人参に含まれているアルカロイドには、健康に役立つ生理作用があります。

高麗人参に含まれるアルカロイドの効果

高麗人参に含まれるアルカロイドには、身体の健康増進に役立つ効果があります。

免疫力の向上

高麗人参に含まれるアルカロイドには、免疫細胞であるマクロファージやB細胞の働きを活性化する作用があります。
マクロファージは大食細胞とも呼ばれ、死んだ細胞や体内に侵入した病原菌を捕食して処理する機能があります。B細胞はBリンパ球とも呼ばれ、免疫機能の基礎となる抗体をつくります。これらの細胞の働きは、免疫機能にとって不可欠です。
高麗人参に含まれるアルカロイドは、こうした免疫細胞の働きを活発にして、免疫力を向上させます。

アンチエイジング

肌や身体の組織の老化の原因のひとつに、活性酸素による細胞の酸化があります。
アルカロイドの多くは、その名の通りアルカリ性を示します。アルカリ性は酸性とは反対の性質であり、アルカロイドには細胞の酸化を抑制して老化を抑制する働きがあります。

活性酸素は強い酸性を示し、ほかの物質を酸化する力が非常に強い酸素です。
活性酸素は日々の呼吸によって体内で発生し、その強い酸化力で病原菌の処理などに利用されます。しかし、体内で活性酸素が過剰になると、健康な細胞まで酸化してしまい、細胞の老化や内臓の炎症などの原因になります。
人の身体には活性酸素を中和する機能がもともと備わっていますが、その機能は年齢とともに衰えます。

アルカロイドはアルカリ性を示し、身体の状態をアルカリ性に寄せて細胞の酸化を抑制します。このため、アルカロイドにはアンチエイジング効果があるといわれています。

そのほかの効果

以上の効果のほか、高麗人参に含まれるアルカロイドには、傷ついた細胞の修復を促す効果や、ホルモンバランスを整える効果、自律神経のバランスを調整する効果があるといわれています。
高麗人参の成分としてアルカロイドが注目されるようになったのは近年のことであり、今後の更なる研究が期待されています。

高麗人参のアルカロイドは継続して摂取しても安心

アルカロイドには毒性を示すものも多いですが、高麗人参に含まれているアルカロイドには毒性がなく、含有量も少量です。このため、高麗人参を継続して摂取しても、アルカロイドによる身体への悪影響の心配はありません。

約2000年前に記された中国最古の薬物書である『神農本草経』には、高麗人参は長期的に摂取しても害のない養命薬として記載されています。高麗人参は太古から現在まで薬草として盛んに利用されており、その安全性が経験から確認されています。また、現代の研究でも、高麗人参の成分に毒性は確認されていません。
高麗人参は高い健康効果や美容効果がありながら、安全性も高く、安心して摂取できる健康食品です。

アルカロイドを含む漢方薬は空腹時に摂取

アルカロイドは植物に多く含まれており、生薬を利用する漢方薬にも多く含まれています。
漢方薬は一般的に空腹時に摂取するべきとされていますが、これは漢方薬に含まれるアルカロイドが関係しています。

空腹時の胃の中は、強い酸性の状態です。この状態では、漢方薬に含まれるサポニンなどの成分が速やかに消化・吸収される一方で、アルカリ性を示すアルカロイドはゆっくりと吸収されます。
アルカロイドは生理作用の強いものが多く、血中濃度が急に高まると身体に大きな変化が起こり、体調に悪影響が出るリスクが高まります。空腹時に漢方薬を摂取すると、アルカロイドの吸収が穏やかになるため、こうしたリスクを避けることができます。

このようなアルカロイドの吸収速度に関する理由から、漢方薬は空腹時の摂取が推奨されています。高麗人参に限らず、アルカロイドを含む漢方薬を摂取する際は、食事の30分以上前か、食後2時間以上経過した空腹時の摂取をお勧めします。

まとめ

高麗人参の高い健康効果をもたらす成分のひとつに、アルカロイドがあります。高麗人参に含まれるアルカロイドには免疫力を高める作用などがあり、身体の健康増進に役立ちます。アルカロイドには毒性のあるものも多いですが、高麗人参のアルカロイドには毒性がなく、安心して摂取できます。
高い健康効果があり、安心して摂取できる高麗人参を、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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