アレルギーの改善に効果的な高麗人参
日本では、花粉症・アトピー性皮膚炎・食物アレルギーなどのアレルギー症状に悩む人が年々増加しています。アレルギーは、身体を守るための免疫機能が特定の物質に過剰反応することで起こる症状です。
高麗人参は、古くから身体の調子を整える万能薬として珍重されてきました。高麗人参には免疫機能を正常化する効果があり、アレルギー症状の予防・改善にとても効果的です。
アレルギーの改善に役立つ高麗人参の効果について解説します。
アレルギーは免疫機能の異常が原因
・アレルギーは免疫の過剰反応
アレルギーは、異物を身体から排除するために働く免疫機能に異常が起こり、免疫が特定の物質に対して過剰に反応することで発症します。代表的なアレルギー症状には、花粉症・アトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギー性鼻炎・食物アレルギーなどがあり、アレルギー患者は年々増加しています。
・免疫細胞のバランスの乱れがアレルギーを起こす
免疫細胞には、ナチュラルキラー細胞やマクロファージなどの多くの種類があり、体内でそれぞれの役割を果たしています。免疫細胞のうち、アレルギーに深く関係しているのがヘルパーT細胞です。
ヘルパーT細胞は、細菌やウイルスの処理に関わる「Th1細胞」と、抗体による異物の排除に関係している「Th2細胞」に分けられます。Th1細胞とTh2細胞は互いの機能を抑制しあっていて、片方の機能が高まると、もう片方の機能が低下します。
このTh1細胞とTh2細胞のバランスが崩れ、Th2細胞が体内で過剰になると、アレルギー症状が起こりやすくなります。アレルギーを改善するには、免疫細胞のバランスを正常化することが重要です。
高麗人参は免疫機能を正常化する
古くから身体の調子を整える万能薬として珍重されてきた高麗人参には、免疫機能を正常化する効果があります。高麗人参は免疫細胞のバランスを修正し、アレルギー症状を改善します。
自律神経が免疫機能を調整している
免疫機能は、自律神経の働きによって調整されています。
自律神経は、内臓の機能や血圧、ホルモンの分泌、呼吸などの身体のあらゆる機能を24時間無意識のうちに調整している神経です。自律神経は、活動時や昼間に活発になる交感神経と、休息時や夜間に活発になる副交感神経に分けられ、両者がバランスをとりながら機能しています。
自律神経は免疫機能と深く関係しており、自律神経のバランスが乱れると免疫細胞のバランスも崩れ、免疫力の低下やアレルギー症状の原因になります。
高麗人参は自律神経のバランスを整える
高麗人参は、特有の成分であるジンセノサイドの働きによって自律神経を調整します。
ジンセノサイドには30以上の種類があり、それぞれが特徴的な作用をもっています。
ジンセノサイドは神経を刺激するトリオール系や、神経の興奮を抑えるジオール系などに分けられます。トリオール系とジオール系には相反する作用がありますが、これらは相殺されることなく体内で作用します。交感神経が過度に活発なときにはジオール系が強く作用して興奮を抑え、副交感神経が過剰に優位な場合はトリオール系が強く作用して交感神経を刺激します。
こうしたジンセノサイドの作用により、高麗人参は自律神経のバランスを正常化します。
高麗人参は代表的なアダプトゲン
自律神経のバランスを正常化する高麗人参は、代表的なアダプトゲンとして知られています。
アダプトゲンとは、心身のストレスを軽減して、標準値から外れた身体の機能を正常な状態に修正する作用がある薬草のことです。アダプトゲンには冬虫夏草・甘草・アマチャヅルなどがあり、高麗人参はその中でも効果の高い代表例とされています。
高麗人参は、身体の機能を正常化するアダプトゲンとして体内で作用し、異常を起こした免疫機能を正常化します。高麗人参は、免疫機能の異常によって起こるアレルギー症状の改善にとても効果的です。
高麗人参はヘルパーT細胞のバランスを整える
免疫細胞のヘルパーT細胞はアレルギーに深く関係しており、Th1細胞とTh2細胞のバランスにおいてTh2細胞が優位になると、アレルギーが起こりやすくなります。高麗人参はTh1細胞の増加を促して、アレルギーの発症を抑制します。
・漢方薬の補気薬はTh1細胞を優位にする
高麗人参は古くから漢方薬として利用され、身体に活力を与える代表的な補気薬として知られています。高麗人参や甘草などの補気薬には、マクロファージやナチュラルキラー細胞を活性化して、Th1細胞に関わる免疫反応を強める効果があります。
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、ナチュラルキラー細胞を活性化する作用があることが、研究で確認されています。また、高麗人参に含まれるアルギニンやアルカロイドには、マクロファージの働きを活発にする作用があります。
高麗人参はTh1細胞を優位にしてTh2細胞の働きを抑制し、アレルギー症状を改善します。
・Th1細胞を優位にする補気薬の効果は実験でも確認されている
高麗人参が使用されている漢方薬に「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」があります。補中益気湯は代表的な補気薬として知られ、胃腸虚弱の改善や体力回復に広く用いられています。
アレルギーを誘発させたマウスに補中益気湯を投与したところ、血液中のIgE抗体が大幅に減少したとする実験報告があります。IgE抗体はTh2細胞の働きによって生成され、アレルギー症状の原因となる物質です。補中益気湯はTh2細胞の働きを抑制してアレルギー症状を改善することが、この研究で明らかになっています。
補中益気湯には高麗人参以外の生薬も使用されていますが、こうした実験からも、高麗人参にアレルギーを抑制する効果があることが分かります。
アレルギー症状の改善に役立つ高麗人参の効果
免疫機能を調整する効果以外にも、高麗人参にはアレルギー症状の予防・改善に役立つ多くの効果があります。
皮膚や粘膜を健康に保つ
皮膚や粘膜の健康維持は、アレルギー症状の予防・改善にとても重要です。健康な皮膚や粘膜は、アレルギーによる炎症を抑制するとともに、アレルギー反応の原因物質であるアレルゲンの体内への侵入を防ぎます。
高麗人参には、皮膚や粘膜の健康増進に役立つ成分が豊富に含まれています。
・健康な皮膚はアレルゲンの侵入を防ぐ
代表的なアレルギー症状であるアトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下して皮膚が弱くなり、そこにアレルギー反応を引き起こすアレルゲンが侵入することで発症すると考えられています。
また、皮膚の健康は食物アレルギーとも関係しており、アレルゲンを口から摂取した場合よりも、アレルゲンが皮膚から侵入した場合の方が食物アレルギーの発症リスクが高いことが報告されています。
例えば、ピーナッツ油を皮膚に塗った子供にピーナッツアレルギーが多いことが確認されているほか、手が荒れている状態で料理をしていた人がニンジンアレルギーや魚アレルギーになった例などが報告されています。
アレルギーの予防・改善には、皮膚を健康に保ち、アレルゲンの体内への侵入を防ぐことが重要です。
・皮膚や粘膜の健康に役立つ成分が豊富な高麗人参
高麗人参には、皮膚や粘膜の健康増進に役立つ成分が豊富に含まれています。
ビタミンB群はタンパク質の代謝や体内での合成に関わり、皮膚や粘膜を健康に保つ作用があります。ビタミンB群が不足するとタンパク質がうまく合成できず、皮膚や粘膜の炎症が起こることが知られています。
また、高麗人参には、タンパク質の合成に不可欠なリシン(リジン)や、アルギニン・アラニン・グリシンなどの、皮膚を構成するタンパク質の材料になる数多くのアミノ酸が含まれています。
高麗人参はこれらの成分を身体に補い、皮膚や粘膜を健康に保ちます。
・高麗人参はコラーゲンの生成を促進する
コラーゲンは皮膚に弾力を与え、健康な皮膚に欠かせない成分です。コラーゲンはアミノ酸を材料にして体内で生成され、コラーゲンの生成にはビタミンCと鉄も必要です。高麗人参にはアミノ酸・ビタミンC・鉄が含まれており、コラーゲンの生成を促進します。
コラーゲンの生成を促進する高麗人参の効果は、実験でも確認されています。
コラーゲンを生成する線維芽細胞に高麗人参の成分を投与したところ、生成されたコラーゲンの量が増加したとの実験報告があります。
また、被験者に高麗人参を摂取させたところ、血液中のコラーゲンが増加したとの研究報告もあります。
高麗人参はコラーゲンの生成を促進して皮膚を健康に保ち、皮膚からのアレルゲンの侵入を防ぎます。
・高麗人参は新陳代謝を活発にする
皮膚や粘膜の細胞は、新陳代謝によって日々新しく生まれ変わっています。新陳代謝が活発になると、細胞が若く健康な状態に保たれ、皮膚や粘膜が丈夫になります。
高麗人参には高い血行促進効果があり、皮膚や粘膜に十分な酸素と栄養素を供給して、新陳代謝を活発にします。
また、高麗人参に豊富に含まれるアミノ酸のアルギニンには、成長ホルモンの分泌量を増やす作用があります。成長ホルモンは新陳代謝を活発にします。
さらに、亜鉛は細胞分裂に関わる200以上の酵素に関係しているミネラルで、細胞分裂を活発にする作用があります。
高麗人参にはこれらの成分が豊富に含まれており、新陳代謝を活発にします。高麗人参は皮膚や粘膜を健康に保つことで、アレルゲンの体内への侵入や炎症の悪化を防ぎます。
ホルモン分泌の正常化
アレルギー症状の改善には、炎症を抑制するホルモンの働きが重要です。高麗人参には、ホルモンの分泌を正常化する効果があります。
・副腎皮質ホルモンは炎症を抑制する
腎臓の上には副腎と呼ばれる臓器があり、数多くのホルモンを分泌しています。副腎から分泌される副腎皮質ホルモンの中には、炎症やアレルギー反応を抑制するものがあります。
アレルギーの治療には、ステロイド剤が一般的に利用されています。ステロイド剤は、副腎皮質ホルモンを人工的に合成したものです。
副腎皮質ホルモンの適切な分泌は、アレルギー症状の抑制に重要です。
・高麗人参はホルモンの分泌を正常化する
ホルモンの分泌を調整している中枢は、脳の視床下部と呼ばれる部位です。視床下部は自律神経を調整する中枢でもあり、自律神経とホルモンバランスは密接に関係しています。自律神経が乱れるとホルモンの分泌に異常が生じ、更年期などでホルモンバランスが乱れると、自律神経のバランスも乱れることが知られています。
高麗人参には自律神経を整える効果があり、身体の機能を正常化するアダプトゲンとして知られています。高麗人参は自律神経を整えることで副腎皮質ホルモンの分泌を正常に保ち、炎症やアレルギー反応を抑制します。
抗炎症作用
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには30以上の種類があり、それぞれが特徴的な作用をもっています。そのうちジンセノサイドRo・PPT・Rh1・CKには、炎症を抑える抗炎症作用があります。
高麗人参はジンセノサイドの働きによって皮膚や粘膜の炎症を抑制し、アレルギー症状を緩和します。
抗酸化作用
アレルギーを悪化させる物質に、活性酸素があります。高麗人参の成分には活性酸素を中和する強い抗酸化作用があり、活性酸素によるアレルギー症状の悪化を防ぎます。
・活性酸素は増えすぎると身体に悪影響を及ぼす
活性酸素は、ほかの物質を酸化する力が非常に強い酸素のことで、呼吸によって体内で発生します。活性酸素はウイルスの処理などに使用される身体に不可欠な物質ですが、体内で過剰になると健康な細胞にも酸化ストレスを与えてしまい、身体に悪影響を及ぼします。
人間の身体には活性酸素を中和する機能が備わっていますが、年齢とともにその効果は衰えます。活性酸素の悪影響から身体を守るには、活性酸素を中和する抗酸化作用をもつ成分の摂取が重要です。
・活性酸素は炎症やアレルギー反応を強める
活性酸素がタンパク質リン酸化酵素と呼ばれる酵素の働きを活性化して、炎症の原因となる物質の産生を促進することが、科学技術振興機構(JST)の研究によって明らかになっています。
また、活性酸素が血液中の悪玉コレステロールを酸化すると、過酸化脂質と呼ばれる物質が発生します。過酸化脂質はその酸化力で皮膚の角質層を傷つけ、皮膚の保湿機能を低下させます。これによって皮膚のバリア機能が低下し、アレルゲンが皮膚から侵入しやすくなります。
活性酸素は、アレルギーを悪化させる主要な要因のひとつです。
・高麗人参は活性酸素を減少させる
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、活性酸素を中和する強い抗酸化作用があります。また、同じく高麗人参に含まれるビタミンCにも抗酸化作用があります。
高麗人参はこれらの成分の働きによって体内の活性酸素を減少させ、活性酸素によるアレルギー症状の悪化を防ぎます。
ストレス軽減
ストレスはアレルギーの発症率を高め、症状を悪化させることが知られています。高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、ストレスによるアレルギー症状の悪化を防ぎます。
・ストレスはアレルギーと深く関係している
ストレスは自律神経の交感神経を強く刺激します。このため、ストレスは自律神経を乱して免疫細胞のバランスを悪化させ、アレルギーの発症率を高めます。
じんましんは代表的なアレルギー症状であり、ストレスが発症に影響していることが知られています。また、ストレスは食物アレルギーの発症率を高めることも報告されています。
さらに、慢性的なストレス下では、免疫細胞のTh1細胞の働きが抑制され、Th2細胞が優位になることが研究で確認されています。Th2細胞が優位になるとアレルギーが起こりやすくなり、アレルギー症状が悪化します。
ストレスは、アレルギーを悪化させる主要な要因のひとつです。
・高麗人参はストレスを軽減する薬草
高麗人参は、古くから精神を安定させる薬草として珍重されてきました。約2000年前に記された中国最古の薬物書である『神農本草経』には、高麗人参に「精神を安んじ、魂魄を定める」効果があると記載されています。
また、東洋医学における高麗人参の効果をまとめた「高麗人参七効説」においても、高麗人参に「養心安神(ようしんあんしん)」の効果があるとされています。養心安神とは、神経の働きを助けてストレスを軽減する効果のことです。
さらに、高麗人参は、心身のストレスを軽減して身体の機能を正常化するアダプトゲンの代表例として知られています。
高麗人参は、ストレスを軽減する薬草として有名です。
・ストレス軽減効果が研究でも確認されている
高麗人参のストレス軽減効果は、研究でも確認されています。
高麗人参にストレスに対する抵抗力を高める効果があるとする研究報告が、ブルガリアやロシアの研究機関によって行われています。
また、ストレス性の胃潰瘍を抑制する効果や、ストレスによる運動能力の低下を防ぐ効果が、複数の動物実験によって確認されています。
このように、高麗人参には高いストレス軽減効果があります。高麗人参はストレスを軽減して、アレルギーの発症や症状の悪化を防ぎます。
睡眠の改善
睡眠不足は自律神経の乱れの原因になり、アレルギー症状を悪化させます。高麗人参には睡眠の質を高める効果があり、睡眠不足によるアレルギー症状の悪化を防ぎます。
・睡眠不足はアレルギーを悪化させる
睡眠中には、自律神経の副交感神経が活発になり、活動時に活発になった交感神経の働きが抑制されます。睡眠不足の状態では交感神経が刺激されたままになり、自律神経のバランスが乱れます。自律神経の乱れは免疫機能の異常を招き、アレルギー症状を引き起こします。
また、睡眠不足は血行悪化や成長ホルモンの分泌量の減少を招き、新陳代謝を鈍化させて皮膚の健康状態を悪化させます。これにより、皮膚のバリア機能が低下してアレルギー症状が起こりやすくなります。
さらに、睡眠不足で鼻炎や皮膚炎などが悪化すると、睡眠の質が低下して、さらに睡眠不足とアレルギー症状が悪化する悪循環が起こります。
・高麗人参には安眠効果のある成分が含まれている
高麗人参には、アミノ酸のグリシンとセリンが含まれています。これらのアミノ酸には安眠効果があることが知られており、これらを就寝前に摂取させたところ、寝つきや睡眠の満足度などの睡眠の質が大きく改善したとの複数の実験報告があります。
高麗人参は安眠効果のある成分を身体に補い、睡眠の質を高めます。
・高麗人参はストレスを軽減して睡眠の質を高める
ストレスを感じると、副腎皮質刺激ホルモンのコルチコトロピンが分泌されます。このホルモンはストレスに対抗するために必要ですが、その一方で睡眠を阻害する作用があります。このため、ストレスは睡眠の質を低下させます。
高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、コルチコトロピンの分泌を抑制します。高麗人参は睡眠を阻害するホルモンの分泌を防いで、質の良い睡眠を促します。
このように、高麗人参には睡眠を改善する効果があります。高麗人参は、睡眠不足によるアレルギー症状の悪化を防ぎます。
腸内環境を整える
腸には身体全体の免疫細胞の6割以上が存在しており、免疫機能にとって重要な臓器です。また、近年の研究により、腸内環境とアレルギー症状が密接に関係していることが明らかになっています。
高麗人参には胃腸の調子を整えて腸内環境を改善する効果があり、アレルギー症状の予防・改善に役立ちます。
・腸は免疫機能にとって重要
腸は口から摂取した食べ物を消化・吸収する器官であり、病原菌やウイルスと多く接触します。このため、腸には多くの免疫細胞が集中しています。腸の健康が悪化すると免疫細胞の機能も低下し、免疫力が低下します。
また、腸の粘膜は、病原菌やアレルゲンが体内に侵入しないようにタンパク質の層によって守られています。腸の健康が悪化すると粘膜の状態も悪化して、病原菌やアレルゲンが体内に侵入しやすくなります。
腸の健康状態は、免疫機能にとってとても重要です。
・腸内環境とアレルギーは深く関係している
近年の研究によって、アトピー性皮膚炎などのアレルギー患者の多くは腸内環境が悪化していることが確認されています。
また、腸に炎症が起こると、炎症性の物質が腸の血管から血液に吸収されて全身をめぐり、皮膚や粘膜の炎症を悪化させることが研究で報告されています。
さらに、腸内環境の悪化によって腸の粘膜が傷つくと、口から摂取したアレルゲンが血液中に侵入し、身体の組織の炎症の原因になることが知られています。
人間の腸には9,000兆個もの腸内細菌が生息しています。腸内細菌には善玉菌や悪玉菌などの種類があり、悪玉菌が発生させるアンモニアや硫化水素などの有害物質は、アレルギーの原因のひとつと考えられています。
このように、腸内環境はアレルギーの発症や症状の悪化と深く関係しています。アレルギーの予防・改善には、腸内環境を整えることが重要です。
・高麗人参は腸を健康にする薬草
高麗人参は、古くから胃腸を健康にする薬草として利用されてきました。
東洋医学における高麗人参の効果をまとめた「高麗人参七効説」では、高麗人参に「健脾止瀉(けんぴししゃ)」の効果があるとされています。「脾」とは胃腸のことで、健脾止瀉とは、胃腸を健康にして下痢を止める効果のことです。
・高麗人参には腸を健康にする多くの効果がある
腸の働きは自律神経によって調整されています。ストレスや睡眠不足によって自律神経が乱れると、過敏性腸症候群などの腸の不調が起こります。高麗人参には自律神経を整える効果やストレス軽減効果、睡眠を改善する効果があり、自律神経の乱れによる腸の健康悪化を防ぎます。
また、腸の血行不良は便秘や下痢の原因になります。高麗人参には高い血行促進効果があり、腸の働きを活発にして腸を健康に保ちます。
さらに、高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、炎症の原因となる活性酸素を中和する抗酸化作用や、炎症を抑制する抗炎症作用があります。高麗人参は腸の炎症を抑制して、腸の健康増進に役立ちます。
・高麗人参は腸内環境を整える
こうした腸を健康にする多くの効果により、高麗人参は腸内環境を改善して乳酸菌などの腸の善玉菌を増加させます。腸内の善玉菌が増えると、善玉菌が生み出す酸性の物質によって悪玉菌が減少し、腸内環境がさらに改善されます。
高麗人参は、腸内環境を整えることでアレルギーを悪化させる有害物質や炎症性の物質の発生を防ぎ、アレルギー症状を改善します。
アレルギーを改善する効果が研究で確認されている
アレルギーを改善する高麗人参の効果は、研究でも確認されています。
高麗人参に免疫機能を正常化してアレルギーを防ぐ効果や、アレルギー症状を軽減する抗アレルギー効果があることが、複数の動物実験で報告されています。
また、7-41歳のアトピー性皮膚炎患者30名に対して、高麗人参を1日3,000mg、16週間摂取させたところ、アレルギー症状の原因となるIgE抗体の濃度が低下し、摂取期間が長くなるほど皮膚の水分量や炎症の症状が改善したとの韓国の実験報告があります。
さらに、大阪市立大学医学部の研究において、アトピー性皮膚炎のマウスに高麗人参を投与したところ、炎症が治まり、引っかき行動が抑制されたことが報告されています。
アレルギーを改善する高い効果が高麗人参にあることが、こうした実験からも分かります。
飲み始めに症状が悪化する場合がある
アレルギーの改善に高い効果をもつ高麗人参ですが、飲み始めた際に一時的に皮膚症状の悪化や体調不良が起こる場合があります。
・飲み始めの症状悪化は好転反応
高麗人参を飲み始めた際に起こる一時的な体調不良は「好転反応」と呼ばれ、回復に向かう際に起こる身体の正常な反応です。「好転するための一時的な反応」という意味で、好転反応と呼ばれます。
高麗人参の好転反応には、皮膚症状の悪化や、動悸、倦怠感、胃腸の不調などがあります。
好転反応は一時的なものであり、こうした症状が起こっても過度に心配する必要はありません。
・好転反応は短期間で治まる
高麗人参を摂取すると、血行が促進されて身体に蓄積していた毒素が排出されやすくなります。毒素は排出されるまでの間、血液に溶けて体内を循環します。こうした一時的な血液中の毒素の増加が、好転反応と呼ばれる体調不良を引き起こします。
毒素が排出されると好転反応は治まり、体内の毒素が減って身体が健康になります。このため、好転反応は通常1-2週間程度の短期間で症状が現れなくなります。
・飲み始めは少しずつ摂取
身体の正常な反応とはいえ、急な症状の悪化はなるべく避けるべきです。高麗人参を飲み始める際は、身体を慣らしながら少量ずつ摂取することをお勧めします。
強い好転反応が起こった場合は、一時的に摂取量を減らすか摂取を中断するのもひとつの手です。症状が治まってから少しずつ摂取を再開し、身体の調子をみながら分量を増やしていくと良いでしょう。
・症状が続く場合は医師に相談
体調不良が長く続く場合や、症状に不安を感じた場合は、好転反応以外の理由で体調が悪化している可能性もあるため、医師に相談するようにしてください。
専門家に相談した上で好転反応だと分かれば、安心して摂取を継続できます。
まとめ
アレルギーは免疫機能の異常によって起こる症状で、近年増加傾向にあります。高麗人参には身体の機能を正常化する高い効果があり、免疫機能を正常な状態に修正します。高麗人参はアレルギーを発症しにくい身体の形成に役立ち、アレルギーを根本から改善します。
また、高麗人参にはストレス軽減効果や炎症を抑制する効果などの、アレルギー症状を緩和する多くの効果があります。
アレルギーを改善して快適な日々を送るために、日々の生活に高麗人参を取り入れてみることをお勧めします。