高麗人参はホルモンバランスを整えて貧血を防ぐ

貧血はさまざまな原因で起こり、ホルモンバランスの乱れが原因で貧血が起こる場合があります。古くから万能薬として珍重されてきた高麗人参には、ホルモンバランスを整える高い効果があり、ホルモンバランスの乱れが原因で起こる貧血の予防・改善に役立ちます。

ホルモンバランスの乱れは貧血を引き起こす

・女性ホルモンの分泌異常は貧血を引き起こす
女性には生理による出血があるため、貧血は男性に比べて女性に起こりやすい症状です。女性ホルモンの働きは、生理の頻度や出血量と深く関係しています。

生理には、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの働きが重要です。こうした女性ホルモンのバランスが乱れると、出血量が増加する過多月経の原因になります。
また、ホルモンバランスの乱れによって卵巣機能が低下すると、排卵がうまく行われずに無排卵月経が起こり、月経周期が短くなったり出血が続いたりする場合があります。
さらに、エストロゲンやプロゲステロンの分泌量の低下は、生理周期が短くなる頻発月経の原因になります。

こうした生理不順が起こると、出血量が増加して赤血球が不足し、重い貧血症状が起こります。生理不順による過剰な出血を抑制して貧血を防ぐためには、ホルモンバランスを整えることが重要です。

・腎臓のホルモンが赤血球の生成に必要
赤血球の生成には、腎臓から分泌されるホルモンの働きも重要です。腎臓からはエリスロポエチン(EPO)と呼ばれるホルモンが分泌され、エリスロポエチンには骨髄で行われる赤血球の生成を促進する作用があります。
エリスロポエチンの分泌異常が起こると、赤血球の生成が阻害されて重い貧血の原因になります。貧血の予防には、ホルモンの分泌異常を防ぐことが重要です。

ホルモンバランスの乱れを防ぐ高麗人参の効果

古くから万能薬として利用されてきた高麗人参には多くの健康効果があり、その中にはホルモンバランスの正常化に役立つものがあります。

自律神経を整える

自律神経は身体の機能を調整している神経で、ホルモンの分泌にも深く関係しています。高麗人参には自律神経を整える高い効果があり、ホルモンバランスの乱れを防ぎます。

・自律神経は身体の機能を調整する神経
自律神経は、内臓の機能や血液の流れ、体温調節などの身体のあらゆる機能を24時間無意識のうちに調整している神経です。自律神経は、活動時や昼間に活発になる交感神経と、休息時や夜間に活発になる副交感神経に分けられ、両者がバランスをとりながら機能しています。

・自律神経はホルモンバランスと密接に関係している
自律神経を司る中枢は、脳の視床下部と呼ばれる部位です。視床下部には、ホルモンの分泌を調整する役割もあります。このため、自律神経とホルモンバランスは密接に関係しています。
ストレスなどで自律神経が乱れると、視床下部の機能に異常が生じてホルモンバランスが乱れます。逆にホルモンバランスの乱れも自律神経の乱れの原因になり、更年期などで女性ホルモンのバランスが乱れると、自律神経のバランスが乱れて心身のさまざまな不調が起こります。

自律神経が正常な状態に保たれていると、ホルモンの分泌異常も起こりにくくなります。ホルモンバランスの乱れによる貧血を防ぐには、自律神経のバランスを正常に保つことが重要です。

・高麗人参は自律神経のバランスを調整する
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには多くの種類があり、神経を刺激するトリオール系や、神経の興奮を抑制するジオール系などに分類されます。トリオール系とジオール系には相反する作用がありますが、これらは相殺されることなく体内で機能します。
交感神経が過度に興奮しているときにはジオール系が強く作用して興奮を抑え、副交感神経が過度に優位な場合はトリオール系が強く作用して交感神経を刺激します。
こうしたジンセノサイドの働きにより、高麗人参は自律神経のバランスを正常な状態に保ちます。高麗人参は自律神経を整えることで、貧血の原因となるホルモンバランスの乱れを防ぎます。

ストレスを軽減する

ホルモンバランスを乱す主要な原因に、ストレスがあります。ストレスは交感神経を強く刺激して自律神経の乱れを引き起こし、ホルモンの分泌異常の原因になります。
高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、ストレスによるホルモンバランスの乱れを抑制します。

・高麗人参はストレスを軽減する薬草
高麗人参は古くから精神を安定させる薬草として利用されており、ストレスを軽減する高い効果があります。約2000年前に記された中国最古の薬物書『神農本草経』には、高麗人参に「精神を安んじ、魂魄を定める」効果があると記載されています。
また、東洋医学における高麗人参の効果をまとめた「高麗人参七効説」においても、高麗人参にストレスを軽減する「養心安神（ようしんあんしん）」の効果があるとされています。
高麗人参のストレス軽減効果は古くから認知され、広く利用されてきました。

・ストレス軽減効果が研究で確認されている
ストレスを軽減する高麗人参の効果は研究でも確認されており、高麗人参にストレスに対する抵抗力を高める効果があるとする研究報告が、ブルガリアとロシアの研究機関によって行われています。
また、ストレス性の胃腸炎を予防・改善する効果や、ストレスによる運動能力の低下を抑制する効果が、複数の動物実験で確認されています。

このように、高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があります。高麗人参はストレスを軽減してホルモンバランスの乱れを防ぎ、ホルモンの分泌異常による貧血の予防・改善に役立ちます。

睡眠の質を高める

ホルモンバランスの乱れを防ぐには、睡眠がとても重要です。睡眠不足の状態では交感神経の働きが過度に活発になり、自律神経とホルモンバランスの乱れを引き起こします。
ホルモンバランスの乱れによる貧血を防ぐには、十分な睡眠をとることが大切です。

・高麗人参には安眠効果のある成分が含まれている
高麗人参には、アミノ酸のグリシンとセリンが含まれています。これらのアミノ酸には安眠効果があることが確認されており、これらを就寝前に摂取させたところ、寝つきや睡眠の途中で起きる回数、睡眠の満足度などの睡眠の質が大幅に改善したとの複数の実験報告があります。
また、ビタミンB12にも安眠効果があり、ビタミンB12を摂取させたところ睡眠障害が改善されたとする研究報告があります。
高麗人参はこうした安眠効果のある成分を身体に補い、睡眠の質を高めます。

・ストレスを軽減して睡眠の質を高める
ストレスを感じると、副腎皮質刺激ホルモンのコルチコトロピンが分泌されます。このホルモンはストレスに対抗するために必要ですが、その一方で睡眠を阻害する作用があります。このため、ストレスを受けると睡眠の質が低下します。
高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、コルチコトロピンの分泌を抑制します。高麗人参は睡眠を阻害するホルモンの分泌量を減少させることで、質の良い睡眠を促します。

このように、高麗人参には睡眠の質を高める効果があります。高麗人参は睡眠不足によるホルモンバランスの乱れを防ぎ、ホルモンの分泌異常による貧血を防ぎます。

高麗人参は身体の機能を正常化するアダプトゲン

高麗人参には、身体の機能を調整している自律神経を整える効果があります。このため、高麗人参は代表的なアダプトゲンとして知られています。
アダプトゲンとは、心身のストレスを軽減して、標準値から外れた身体の機能を正常な状態に修正する作用のある薬草のことです。アダプトゲンには冬虫夏草・アマチャヅル・甘草などがあり、高麗人参はその中でも効果の高い代表例とされています。

高麗人参はアダプトゲンとして体内で作用し、乱れたホルモンバランスを正常な状態に修正します。高麗人参は、ホルモンバランスの乱れによって起こる貧血の予防・改善にとても効果的です。

まとめ

女性ホルモンの分泌異常によって生理の頻度や出血量が高まると、赤血球が不足して重い貧血症状が起こります。また、腎臓から分泌されるホルモンが減少すると、赤血球の生成が阻害されてしまいます。こうした原因で起こる貧血を防ぐためには、ホルモンバランスの乱れを防ぐことが重要です。
高麗人参には身体の機能を調整している自律神経のバランスを正常化する効果があり、ホルモンバランスの乱れを修正します。また、ホルモンバランスの乱れの原因となるストレスを軽減する効果や、睡眠不足を防ぐ効果もあります。
ホルモンバランスの乱れによる貧血を予防・改善して、いきいきとした毎日を送るために、高麗人参を日々の生活に取り入れてみることをお勧めします。

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