下痢の予防・改善に効果的な高麗人参

高麗人参を飲み始めた際に、下痢の症状が起こる場合があります。下痢が起こると不安を感じて、摂取を止めてしまう方もいるでしょう。しかし、こうした飲み始めの下痢は、身体から毒素を排出する過程で起こるものであり、身体の正常な反応です。
高麗人参は古くから腸の調子を整える薬草として利用されており、下痢を予防・改善する高い効果があります。
高麗人参を飲み始めた際に下痢が起こる場合がある理由や、高麗人参の下痢に対する効果について解説します。

飲み始めの下痢は身体の正常な反応

高麗人参を飲み始めた際に、便が柔らかくなって一時的に下痢の症状が起こる場合があります。下痢といっても腹痛や不快感を伴わないことが多く、長くても1ヶ月程度で症状が治まります。こうした症状は「好転反応」と呼ばれる身体の正常な反応であり、過度に心配する必要はありません。

・飲み始めの下痢は好転反応

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好転反応とは、もともと按摩や鍼などで使われる用語で、身体が回復に向かう過程で起こるさまざまな症状を意味します。「体調が好転するための一過性の反応」という意味で、好転反応と呼ばれます。
漢方医学においては、漢方薬を飲み始めた際にこうした好転反応が起こる場合があるという考えが一般的です。高麗人参は古くから利用されている代表的な漢方薬であり、高麗人参を飲み始めた際にも好転反応が起こる場合があります。

高麗人参を飲み始めた際に起こる好転反応には、下痢の症状のほか、動悸・眠気・倦怠感・肌のかゆみ・胃の不調・頭痛などがあります。

・好転反応が起こる理由

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好転反応は、俗に「毒出し」とも呼ばれ、身体から毒素を排出する過程で起こる反応です。
体調不良の状態では、血液やリンパ液の流れが停滞しており、身体に毒素や老廃物が蓄積しています。高麗人参を摂取して血行が促進されると、こうした毒素や老廃物が体外に排出されやすくなります。毒素や老廃物は体外に排出されるまでの間、血液に溶けて体内を循環します。こうした血液中の一時的な毒素の増加が、好転反応のさまざまな症状を引き起こします。

また、高麗人参の摂取によって腸の血行が促進されると、今まで停滞していた腸の活動が急に活発になって、腸の内容物の移動が速くなります。その結果、食べ物があまり消化されず、軟便や下痢の原因になります。

・好転反応は短期間で治まる

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こうした好転反応は、毒素や老廃物が体外に排出され、高麗人参の成分に身体が慣れると症状が現れなくなります。このため、好転反応は通常1-2週間程度の短期間で治まります。
高麗人参を飲み始めた際に下痢の症状が起こっても、過度に心配する必要はありません。

なお、高麗人参を飲んだ際に起こる身体の反応には大きな個人差があり、下痢や動悸などの症状以外の体調変化が起こる場合もあります。また、好転反応が起こらずに、体調を改善する効果だけを実感できるケースも多くあります。

・飲み始めは少しずつ摂取

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好転反応は身体の正常な反応ですが、急な体調変化はなるべく避けるべきです。このため、高麗人参を飲み始める際には、身体の調子をみながら少しずつ摂取することをお勧めします。
好転反応が起こって症状が重い場合は、摂取量を減らすか一時的に摂取を中断するのも選択肢のひとつです。症状が治まってから少しずつ摂取を再開して、身体を慣らしていくと良いでしょう。

症状が長引く場合や症状に不安がある場合は、迷わず医師に相談するようにしてください。好転反応以外の原因で体調不良が起こっている場合もあります。
また、専門家に相談して好転反応だと分かれば、安心して摂取を継続できます。

高麗人参は下痢に効果的な薬草

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高麗人参には、腸の調子を整えて下痢を予防・改善する効果があります。
高麗人参を飲み始めた際に一時的に下痢の症状が起こる場合があるため、誤解されがちですが、高麗人参は古くから下痢に効果的な薬草として利用されてきました。

東洋医学における高麗人参の効果をまとめた「高麗人参七効説」では、高麗人参に「健脾止瀉（けんぴししゃ）」の効果があるとされています。「脾」とは胃腸のことで、「止瀉」は下痢止めのことです。健脾止瀉とは、胃腸を健康にして下痢を防ぐ効果を意味します。
下痢を予防・改善する高麗人参の効果は、古くから認知され、広く利用されてきました。

高麗人参には、市販の下痢止めのように強制的に下痢を止める効果はありません。しかし、身体全体の調子を整えることで胃腸を健康にし、下痢などの胃腸の不調が起こりにくい身体へと体質を改善します。

下痢の予防・改善に役立つ高麗人参の効果

古くから万能薬として利用されてきた高麗人参には数多くの健康効果があり、その中には腸の健康増進と下痢の予防・改善に役立つものがあります。
下痢の予防や症状の緩和に役立つ高麗人参の健康効果をご紹介します。

自律神経の調整

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腸の働きは自律神経によって調整されています。自律神経が乱れると、腸の機能に異常が生じて下痢の症状が起こる場合や、下痢と便秘を繰り返す場合があります。
高麗人参には自律神経のバランスを整える高い効果があり、自律神経の乱れによる下痢を予防・改善します。

・自律神経は腸の機能を調整する神経
自律神経は、胃腸などの内臓の機能や血液の流れ、ホルモンの分泌などの身体のあらゆる機能を24時間無意識のうちに調整している神経です。自律神経は、心身を緊張・興奮させる交感神経と、心身をリラックスさせる副交感神経に分けられ、両者がバランスをとりながら機能しています。

自律神経のバランスが乱れると、腸のぜん動運動に異常が起こり、下痢や便秘などの腸の不調の原因になります。また、自律神経の乱れが原因で起こる腸の疾患に、過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎があります。こうした腸の疾患は慢性的な下痢を引き起こします。
こうした腸の不調や疾患を防ぐには、自律神経のバランスを整えることが重要です。

・高麗人参は自律神経のバランスを正常化する
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、自律神経のバランスを整える効果があります。
ジンセノサイドには数多くの種類があり、神経の興奮を抑制するジオール系や、神経を刺激するトリオール系などに分類されます。ジオール系とトリオール系には相反する作用がありますが、これらは相殺されることなく体内で機能します。
例えば、交感神経が過度に活発なときには、ジオール系が強く作用して興奮を抑制します。逆に副交感神経の働きが過度に優位な場合は、トリオール系が交感神経を刺激してバランスを保ちます。

こうしたジンセノサイドの作用により、高麗人参は自律神経のバランスを正常な状態に修正します。高麗人参は、自律神経を整えることで腸の機能を正常に保ち、下痢や腸の疾患の予防・改善に役立ちます。

ストレス軽減

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・ストレスは下痢の主要な原因
腸はストレスに弱く、ストレスは下痢の主要な原因のひとつとして知られています。ストレスは自律神経の交感神経を強く刺激するため、自律神経のバランスが乱れて腸の機能に異常が生じます。
ストレスは、過敏性腸症候群の発症や症状悪化の原因としても知られています。過敏性腸症候群は、腸に潰瘍や腫瘍などがないにもかかわらず、下痢などの便通異常や腹痛が起こる症状です。
こうした下痢の症状を防ぐには、心身のストレスをなるべく軽減することが重要です。

・高麗人参はストレスを軽減する薬草
高麗人参は古くから精神を安定させる薬草として利用されており、ストレスを軽減する高い効果があります。
約2000年前に記された中国最古の薬物書『神農本草経』には、高麗人参に「精神を安んじ、魂魄を定める」効果があると記載されています。
また、東洋医学における高麗人参の効果をまとめた「高麗人参七効説」においても、高麗人参に「養心安神（ようしんあんしん）」の効果があるとされています。養心安神とは、神経の働きを補助してストレスを軽減する効果のことです。
さらに、高麗人参は代表的なアダプトゲンとして知られています。アダプトゲンとは、心身のストレスを軽減して、標準値から外れた身体の機能を正常な状態に修正する効果のある薬草のことです。
高麗人参は、ストレスを軽減する薬草として古くから利用されてきました。

・ストレス軽減効果が研究で確認されている
高麗人参のストレス軽減効果は、現代の研究でも確認されています。
高麗人参にストレスに対する抵抗力を高める効果があるという研究報告が、ロシアとブルガリアの研究機関によって行われています。
また、ストレス性の胃腸炎を抑制する効果や、胃腸の粘膜の回復を早める効果があることが、複数の動物実験で確認されています。

このように、高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があります。高麗人参は、ストレスによる自律神経の乱れと腸の異常を抑制して、下痢の予防・改善に役立ちます。

血行促進

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お腹の冷えが下痢の原因になることはよく知られており、胃腸の血行促進は下痢の予防にとても重要です。食べ物の消化・吸収には多くの血液が必要で、胃腸の血行が悪くなると消化機能が低下して下痢の原因になります。また、胃腸の血行悪化は、胃腸の健康状態にも悪影響を及ぼします。
高麗人参は身体を温める薬草として古くから利用されており、胃腸の血行を促進する高い効果があります。

・高麗人参は血管を拡張する
高麗人参には、血管を拡張する成分が豊富に含まれています。
アミノ酸のアルギニンは、体内で一酸化窒素を生成する材料になる成分です。一酸化窒素には、血管周辺の筋肉を弛緩させて動脈を拡張する作用があります。アルギニンは体内の一酸化窒素を増やして血管を拡張させます。
また、アミノ酸のグリシンにも高い血管拡張作用があります。
さらに、ミネラルのマグネシウムには動脈を弛緩させる作用があり、血流量を増やします。

高麗人参はこうした血管を広げる成分を身体に補い、血行を促進します。

・高麗人参は血液をサラサラにする
高麗人参には、血液の流動性を高める成分も含まれています。
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、脂質の代謝を促進して血液中の脂質を減少させる作用があります。また、タンパク質分解酵素のプラスミンの働きを活発にする作用もあります。プラスミンには血栓を溶かして血液を固まりにくくする作用があり、血液をサラサラにします。
また、アミノ酸のアルギニンには、脂質の代謝を促進する成長ホルモンの分泌量を増加させる作用や、脂質分解酵素のリパーゼの働きを活性化する作用があります。こうしたアルギニンの作用は、脂質の代謝を促進して血液中の脂質を減少させます。

このように、高麗人参には血行を促進する成分が豊富に含まれています。高麗人参は、胃腸の血行を促進することで胃腸の消化機能を補助し、下痢の予防・改善に役立ちます。

睡眠の改善

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睡眠は腸の健康と密接に関係しており、睡眠不足によって下痢が起こる場合があります。
高麗人参には質の良い睡眠を促す効果があり、睡眠不足が原因で起こる下痢の症状を予防します。

・睡眠不足は下痢の原因になる
睡眠中には自律神経の副交感神経が活発になり、活動中に刺激された交感神経の働きが抑制されて、自律神経のバランスが調整されます。睡眠不足の状態では、交感神経が刺激されたままになり、副交感神経の働きが抑制されて自律神経のバランスが乱れます。
また、睡眠はストレスの解消にもとても重要です。睡眠が不足すると蓄積したストレスによって自律神経が乱れ、腸の機能に異常が生じて下痢の症状が起こります。
下痢の予防・改善には、十分な睡眠をとって自律神経の乱れやストレスの蓄積を防ぐことが重要です。

・高麗人参には安眠効果のある成分が含まれている
高麗人参には、アミノ酸のグリシンとセリンが含まれています。これらのアミノ酸には安眠効果があり、これらを就寝前に摂取させたところ、寝つきや睡眠の途中で起きる回数、睡眠の満足度などの睡眠の質が大きく改善したとの複数の実験報告があります。
また、ビタミンB12には睡眠のリズムを整える作用があり、ビタミンB12の摂取によって不眠症状が改善したという実験報告があります。

高麗人参はこれらの成分を身体に補い、質の良い睡眠を促します。

・ストレスを軽減して睡眠の質を高める
ストレスを感じると、副腎皮質刺激ホルモンのコルチコトロピンが分泌されます。このホルモンにはストレスに対抗する身体の態勢を整える作用があり、ストレス対処に不可欠です。しかし、その一方で睡眠を阻害する作用があります。このため、強いストレスを受けると睡眠の質が低下します。
高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、身体が必要とするコルチコトロピンの量を減少させます。高麗人参は、ストレスを軽減して睡眠を阻害するホルモンの分泌量を抑制し、睡眠の質を高めます。

このように、高麗人参には睡眠を改善する効果があります。高麗人参は睡眠不足による自律神経の乱れを防ぎ、下痢の予防・改善に役立ちます。

炎症を抑制する

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腸の粘膜に炎症が起こると、腸の機能が低下して慢性的な下痢の原因になります。高麗人参には炎症を抑制する成分が豊富に含まれており、腸の炎症による下痢の症状を緩和します。

・抗炎症作用をもつ成分が含まれている
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには数多くの種類があり、そのうちジンセノサイドCK・PPT・Ro・Rh1には炎症を抑制する抗炎症作用があることが確認されています。
また、亜鉛にも強い抗炎症作用があることが、複数の研究で確認されています。
さらに、マグネシウムにも炎症を抑制する作用があり、マグネシウムの摂取量が多いほど血液中の炎症性物質の量が減少するとの研究報告があります。

高麗人参にはこれらの成分が豊富に含まれており、腸の炎症を抑制します。

・抗酸化作用が炎症の抑制に役立つ
炎症の原因となる物質のひとつに、活性酸素があります。活性酸素は、ほかの物質を酸化する力が非常に強い酸素のことで、日々の呼吸によって体内で発生します。活性酸素はウイルスや病原菌の処理に利用される身体に不可欠な成分ですが、体内で過剰になると健康な細胞にまで酸化ストレスを与えてしまい、炎症の原因になります。

高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、活性酸素を中和する強い抗酸化作用があります。また、同じく高麗人参に含まれるビタミンCにも抗酸化作用があります。
高麗人参は、体内の活性酸素を減少させることで腸の炎症を抑制し、腸の健康悪化による下痢の予防・改善に役立ちます。

免疫機能を調整する

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下痢はさまざまな原因で起こり、ウイルスや細菌の感染によっても下痢の症状が起こります。また、アレルギー反応によっても下痢が起こる場合があります。
高麗人参には免疫機能を調整する効果があり、身体の免疫力を高めてウイルスや細菌の感染による下痢の発症リスクを低下させます。また、免疫機能の異常によって起こるアレルギー症状を改善する効果も研究で確認されています。

・高麗人参は自律神経を整えて免疫機能を正常化する
身体の免疫機能は、自律神経の働きによって調整されています。自律神経のバランスが乱れると、免疫細胞におけるリンパ球と顆粒球のバランスが崩れて、免疫機能がうまく作用しなくなります。これにより、免疫力が低下するほか、免疫機能の異常によるアレルギー症状が起こりやすくなります。
3-1.自律神経の調整に記載の通り、高麗人参には自律神経のバランスを調整する高い効果があります。高麗人参は、自律神経を整えることで免疫力を高め、免疫機能の異常を防ぎます。

・免疫力を高めて感染症による下痢を予防する
以上のように、高麗人参には自律神経を整えて免疫力を高める効果があります。
また、高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、主要な免疫細胞であるナチュラルキラー細胞の働きを活発にする作用があります。
さらに、高麗人参に含まれるアルギニンとアルカロイドには、免疫細胞のマクロファージを活性化する作用があります。

こうした高麗人参の効果は、免疫力を高めてウイルスや細菌の感染を抑制します。高麗人参は免疫力を高めて、風邪などの感染症が原因で起こる下痢の予防に役立ちます。

・アレルギーによる下痢の発症リスクを抑制する
アレルギー症状は、免疫機能に異常が起こり、免疫が特定の物質に過剰反応することで起こります。高麗人参には自律神経を整えて免疫機能を正常化する効果があり、アレルギーの予防・改善にも役立ちます。

高麗人参のアレルギーに対する効果は研究でも確認されており、代表的なアレルギー症状であるアトピー性皮膚炎の症状を緩和する効果が、複数の研究で確認されています。
また、免疫機能を正常化してアレルギーに対する抵抗力を高める効果が、複数の動物実験で確認されています。

下痢の症状は、アレルギー反応が原因で起こる場合があります。高麗人参は免疫機能の異常を防ぐことで、こうしたアレルギー性の下痢の発症リスクを低下させます。

身体の水分量を調整する

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身体の水分量が不足すると、胃腸の機能に異常が発生して下痢の症状が起こる場合があります。高麗人参には身体の水分量を調整して渇きを抑える効果があり、水分不足による下痢の発症を防ぎます。

・脱水症状は下痢の原因になる
下痢は便の水分量が過剰な状態なので、意外に思われるかもしれませんが、下痢の症状を防ぐためには水分の摂取が重要です。
身体の水分量が減少すると、血液の量が減少して血流が悪くなります。血行が悪化すると身体の組織に十分な酸素が供給されなくなり、腸や脳が酸欠状態になります。その結果、自律神経の乱れや腸の機能低下が起こり、下痢の症状が起こります。

下痢が起こると、多くの水分が身体から排出されてしまいます。このため、下痢によって脱水症状が進行して、さらに下痢が悪化する場合があります。下痢の予防・改善には、身体に十分な水分を補うことが大切です。

・高麗人参は身体の水分量を正常に保つ
高麗人参は、古くから身体の渇きを抑える薬草として利用されてきました。東洋医学における高麗人参の効果をまとめた「高麗人参七効説」では、高麗人参に「生津止渇（せいしんしかつ）」の効果があるとされています。生津止渇とは、身体に水分を保持して渇きを抑え、ホルモンの分泌を促す効果のことです。

身体の水分量を正常に保って脱水症状を抑制する高麗人参の効果は、古くから利用されてきました。高麗人参は、脱水症状による血行不良や自律神経の乱れを防いで、下痢の予防・改善に役立ちます。

高麗人参は腸内環境を改善して下痢を防ぐ

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・腸内環境の悪化は下痢を引き起こす
腸の中には9,000兆個もの腸内細菌が生息しているといわれています。腸内細菌には、アンモニアや硫化水素を発生させる悪玉菌や、悪玉菌の増加を抑制する善玉菌などがあります。
悪玉菌が放出する有害物質は、腸の血管から吸収されて全身を巡り、血行不良や内臓機能の低下などの悪影響を及ぼします。このため、腸内の悪玉菌が増加すると腸の機能が低下し、下痢や便秘などの原因になります。

・高麗人参は腸内の善玉菌を増やす
高麗人参には腸の血行を促進する効果や、腸の働きを司る自律神経のバランスを正常化する効果、腸の炎症を抑制する効果があり、腸を健康に保ちます。
また、高麗人参にはビタミンCが含まれています。ビタミンCは、代表的な善玉菌である乳酸菌の食料になる成分です。高麗人参は腸にビタミンCを補い、乳酸菌の増加を促進します。

こうしたさまざまな効果により、高麗人参は腸内の善玉菌を増加させます。高麗人参によって善玉菌が増えると、善玉菌が放出する酸性の物質によって悪玉菌が減少し、ますます腸内環境が改善されます。
高麗人参は、腸の善玉菌を増やして腸内環境を改善し、下痢の予防・改善に役立ちます。

高麗人参は続けることが大事

下痢の予防・改善に役立つ高麗人参の効果をご紹介してきました。
高麗人参は古くから腸の調子を整える薬草として利用されており、下痢に対してとても効果的です。しかし、市販の下痢止めのように強制的に下痢を止める効果はありません。

高麗人参の下痢に対する主な効果は、腸の健康増進や腸内環境の改善、免疫力の向上などによって、下痢が起こりにくい身体へと体質を改善する効果です。こうした体質改善は、短期間で行えるものではありません。短期的には好転反応による下痢の症状が起こる場合もあり、高麗人参の効果を実感するまでにはある程度の摂取期間が必要です。

高麗人参の下痢に対する効果を十分に得るためには、高麗人参を毎日の習慣にして、長く摂取を続けることが大切です。

まとめ

高麗人参を飲み始めた際に下痢の症状が起こる場合がありますが、これは身体が回復に向かう過程で起こる正常な反応であり、過度に心配する必要はありません。高麗人参は古くから下痢に効果的な薬草として利用されており、下痢の予防・改善に役立つ多くの健康効果があります。
高麗人参は、腸の健康状態と腸内環境を根本から改善することで、下痢が起こりにくい身体へと体質を改善します。つらい下痢の症状を改善して健康的な毎日を送るために、高麗人参を毎日の習慣にして、腸の健康管理に役立ててみてはいかがでしょうか。