高麗人参はメニエール病の予防・改善に効果的
激しいめまいを引き起こす疾患に、メニエール病があります。
古くから万能薬として利用されてきた高麗人参は、メニエール病の予防・改善に役立ちます。
メニエール病はめまいを引き起こす耳の疾患
メニエール病は、激しい回転性のめまいと、難聴、耳鳴り、耳の閉塞感の症状が起こる疾患です。メニエール病は、内耳に内リンパ水腫と呼ばれる水ぶくれができることで発症します。
メニエール病のめまいは数十分から数時間続き、回転性のめまいが治まった後も、フワフワしためまいや難聴などの症状が続くことがあります。
また、吐き気や冷や汗、動悸、温度感覚の異常などの症状が起こる場合もあります。
・メニエール病はストレスと深く関係している
メニエール病の明確な原因は明らかになっていませんが、ストレスが深く関係していることが、患者の傾向から明らかになっています。
ストレスは自律神経の交感神経を強く刺激します。メニエール病の症状が起こる前の患者は、交感神経が異常に活発化しており、興奮状態を示す脳波のβ波が多く、リラックス時に出るα波などが少ないことが報告されています。
・動脈硬化がメニエール病の原因とする研究報告がある
また、メニエール病の発症に脳や耳の血管の動脈硬化が関係しているとする研究報告があります。
内リンパ水腫があっても、特に若年ではメニエール病の発作が起こらない場合があります。コロラド大学の研究では、内リンパ水腫による血流の変動と血管の動脈硬化が組み合わさることで、一時的な血流の途絶が内耳の感覚器官に起こり、メニエール病が発症すると報告されています。
メニエール病による激しいめまいを防ぐには、ストレスの軽減や自律神経のバランス調整、動脈硬化の予防などが重要です。
メニエール病の予防・改善に役立つ高麗人参の効果
古くから万能薬として珍重されてきた高麗人参には、メニエール病の予防・改善に役立つ効果があります。
ストレス軽減
メニエール病の発症にはストレスが密接に関係しています。高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、メニエール病の発症リスクを低下させます。
・高麗人参はストレスを軽減する薬草
高麗人参は、古くから精神を安定させる薬草として利用されてきました。約2000年前に記された中国最古の薬物書である『神農本草経』には、高麗人参に「精神を安んじ、魂魄を定める」効果があると記載されています。
また、東洋医学における高麗人参の効果をまとめた「高麗人参七効説」においても、高麗人参にストレスを軽減する「養心安神（ようしんあんしん）」の効果があるとされています。
・ストレス軽減効果が研究で確認されている
ストレスを軽減する高麗人参の効果は、現代の研究でも確認されています。
ストレス性の胃腸炎を予防・改善する効果が、ラットや猫を使用した複数の動物実験で確認されています。
また、高麗人参の摂取によって、ストレスによる運動能力の低下が顕著に抑制されたとする東京大学の実験報告があります。
さらに、高麗人参にストレスに対する抵抗力を高める効果があるとする研究報告が、ブルガリアとロシアの研究機関によって行われています。
このように、高麗人参には高いストレス軽減効果があります。高麗人参はストレスを軽減して、メニエール病の予防・改善に役立ちます。
自律神経を整える
メニエール病の発作が起こる前には自律神経の交感神経が過度に興奮しているケースが多く、自律神経の乱れはメニエール病の発症リスクを上昇させると考えられています。
高麗人参には、自律神経のバランスを整える高い効果があります。
・自律神経は身体の機能を調整する神経
自律神経は、血液の流れや内臓の機能、呼吸などの身体のあらゆる機能を24時間無意識のうちに調整している神経です。自律神経は交感神経と副交感神経に分けられ、両者がバランスをとりながら機能しています。
交感神経の働きは、血管を収縮させて血流を悪化させます。メニエール病の発症には内耳の血行悪化が関係していると考えられており、交感神経の過度な活発化はメニエール病の発症リスクを高めます。
・高麗人参は自律神経のバランスを整える
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには30以上の種類があり、神経の興奮を抑えるジオール系や、神経を刺激するトリオール系などに分類されます。ジオール系とトリオール系には相反する作用がありますが、これらは相殺されずに体内で機能します。
交感神経が過度に活発な場合はジオール系が強く作用して興奮を抑え、副交感神経が過度に優位な場合はトリオール系が交感神経を刺激します。
こうしたジンセノサイドの作用により、高麗人参は自律神経のバランスを正常に保ちます。
高麗人参は自律神経のバランスを整えることで、メニエール病を予防します。
動脈硬化の予防
メニエール病の発症には脳や耳の血管の動脈硬化が関係しているという研究報告があります。動脈硬化は、血管が柔軟性を失って文字通り硬くなる症状です。
動脈硬化は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病によって進行します。高麗人参はこれらの生活習慣病の予防・改善に役立ち、動脈硬化の進行を抑制します。
また、高麗人参には動脈硬化の原因物質を減少させる効果があります。
・糖尿病
糖尿病は、血液中の糖分が基準値よりも高くなる疾患です。血糖値が高い状態だと、血液中のコレステロールが血管の内側に付着しやすくなり、動脈硬化の進行が早まります。
高麗人参には、血糖値を抑制するインスリンの分泌量を増やす効果や、インスリンの効き目を高める効果があり、糖尿病の予防・改善に役立ちます。
・高血圧
血圧が高い状態が続くと、血管に大きな負担がかかります。血管は壁を厚くして圧力に対抗しようとするため、血管が硬くなり動脈硬化が進行します。
高麗人参には、血圧を正常な値に修正する効果や、血行を促進して血圧を抑制する効果があります。高麗人参は高血圧を改善して動脈硬化を防ぎ、メニエール病の発症リスクを低下させます。
・脂質異常症
脂質異常症は、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が過剰だったり、血液中の余計な脂質を肝臓に運ぶ善玉コレステロールが少なかったりする症状をいいます。脂質異常症の状態では、血管の内側に脂質が付着しやすくなり、動脈硬化が悪化します。
高麗人参には血液中の脂質を減少させる成分が豊富に含まれており、脂質異常症の予防・改善にとても効果的です。
・高麗人参は動脈硬化の原因物質を減少させる
動脈硬化を進行させる原因物質のひとつに、ホモシステインがあります。ホモシステインはアミノ酸の代謝によって発生する物質で、血液中のホモシステイン濃度が高いと、若年であっても動脈硬化が進行することが知られています。
高麗人参には、ホモシステインの代謝を促進するビタミンB6・ビタミンB12・葉酸が含まれています。高麗人参はこれらのビタミンを身体に補い、ホモシステインの増加による動脈硬化の進行を抑制します。
このように、高麗人参には動脈硬化の進行を防ぐ高い効果があります。高麗人参は動脈硬化を抑制することで、メニエール病の発症を防ぎます。
血行促進
メニエール病の発症には、内耳の血流悪化が関係していると考えられています。
また、血行が促進されると水分の循環も活発になり、水ぶくれである内リンパ水腫が改善します。このため、メニエール病の治療の際にも内耳の血行が重視されます。
高麗人参には血行を促進する高い効果があり、メニエール病の予防・改善に役立ちます。
・高麗人参は血管を拡張する
高麗人参には、血管を広げて血流量を増やす成分が豊富に含まれています。
アミノ酸のアルギニンは、体内で一酸化窒素を生成する材料になります。一酸化窒素は血管を弛緩させて血管を拡張するシグナルとして機能する物質です。アルギニンには血行を促進する高い効果があります。
また、アミノ酸のグリシンにも血管を広げる作用があります。
さらに、ミネラルのマグネシウムには動脈を弛緩させる作用があり、血流量を増やします。
・高麗人参は血液をサラサラにする
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、脂質の代謝を促進して血液中の脂質を減少させる作用があります。また、タンパク質分解酵素のプラスミンの働きを活性化して、血液を固まりにくくする作用もあります。
高麗人参に豊富に含まれるアルギニンには、脂質の代謝を促進する成長ホルモンの分泌量を増加させる作用があります。
高麗人参はこうした成分を身体に補い、血液をサラサラにします。
このように、高麗人参には血行を促進する成分が豊富に含まれています。高麗人参は内耳の血行を促進して、メニエール病の予防・改善に役立ちます。
身体の水分量を調整する
・メニエール病の改善には水分の排出が重要
メニエール病は、内耳に内リンパ水腫と呼ばれる水ぶくれが起こることで発症します。メニエール病の予防・改善には、身体の過剰な水分を排出して、水ぶくれを防ぐことが重要です。
このため、メニエール病の治療には利尿剤が一般的に使用されています。また、ナトリウムには身体の水分を増やす作用があるため、欧米においては減塩治療が一般的です。
・高麗人参にはカリウムが豊富に含まれている
高麗人参には、カリウムが豊富に含まれています。カリウムには、ナトリウムと反応して余分なナトリウムを体外に排出する作用があります。ナトリウムには身体の水分量を増加させる作用があるため、カリウムは身体の水分の排出を促進します。
高麗人参はカリウムを身体に補って水分の排出を促進し、メニエール病を引き起こす内リンパ水腫の予防・改善に役立ちます。
抗炎症作用
メニエール病を発症すると、内耳や神経の炎症が発生します。こうした炎症の抑制も、メニエール病の改善には重要です。
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには多くの種類があり、そのうちジンセノサイドCK・Rh1・PPT・Roには、炎症を抑制する抗炎症作用があることが確認されています。
また、高麗人参に含まれるマグネシウムや亜鉛にも、炎症を抑制する作用があります。
高麗人参はこれらの成分の働きによって炎症を抑制し、メニエール病の症状改善に役立ちます。
睡眠の改善
十分な睡眠は、メニエール病の予防・改善に重要です。睡眠中には副交感神経が活発になり、日中に刺激された交感神経が抑制されます。睡眠不足の状態では、自律神経の交感神経が過度に活発になり、メニエール病の発症リスクが上昇します。
高麗人参には睡眠の質を高める効果があり、睡眠不足を防ぎます。
・高麗人参はストレスを軽減して睡眠を改善する
ストレスを感じると、ストレスに対抗するためのホルモンが大量に分泌されます。こうしたホルモンはストレスへの対処に不可欠ですが、その一方で睡眠を阻害する作用があります。このため、ストレスは睡眠の質を低下させます。
高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、こうしたホルモンの分泌を抑制します。高麗人参は睡眠を阻害するホルモンの分泌量を減らすことで、睡眠の質を高めます。
・安眠効果のある成分が含まれている
高麗人参には、アミノ酸のグリシンとセリンが含まれています。これらのアミノ酸には安眠効果があり、これらを就寝前に摂取させたところ、寝つきや睡眠の満足度などの睡眠の質が大幅に向上したとの複数の実験報告があります。
また、ビタミンB12には睡眠を促す効果があることが研究で確認されています。ビタミンB12には神経の機能を正常に保つ作用もあり、メニエール病の治療にビタミンB12製剤が使われる場合があります。
このように、高麗人参には質の良い睡眠を促す効果があります。高麗人参は睡眠不足を防ぎ、メニエール病の発症リスクを低下させます。
まとめ
激しいめまいを引き起こすメニエール病は、ストレスや自律神経の乱れ、動脈硬化が原因で発症します。高麗人参にはストレス軽減効果や、自律神経を整える効果、動脈硬化を予防する効果などがあり、メニエール病の予防・改善にとても効果的です。
めまいを防いで健康的な毎日を送るために、メニエール病に対する高い効果をもつ高麗人参を、日々の生活に取り入れてみることをお勧めします。
関連記事Related
