高麗人参の煎じ方・飲み方
高麗人参の利用法として最も一般的なのが、煎じて飲む方法です。煎じた高麗人参茶は、韓国では人参茶(インサムチャ)と呼ばれており、日本でも伝統的な高麗人参の利用法として古くから親しまれてきました。高麗人参を煎じて飲む方法について解説します。
高麗人参を選ぶ
まずは煎じる高麗人参を選びましょう。高麗人参は加工法によって大まかに3つの種類があり、栽培年数によっても等級が分かれています。
サポニンを多く含む紅参
高麗人参には、生のままの「水参」、皮を剥いて乾かした「白参」、皮を剥かずに蒸してから乾燥させた「紅参」の3種類があります。水参は保存に向きませんが、紅参は長期保存が可能です。
高麗人参の有効成分であるジンセノサイドは、皮の付近に多く含まれています。加工の過程でジンセノサイドの含有量が増えることも確認されており、皮を剥かずに加工した紅参には有効成分が最も多く含まれています。
白参や水参も煎じて高麗人参茶をつくるのに利用されますが、高麗人参の効果をより効率的に得たい場合は、紅参を選ぶのがお勧めです。
有効成分が豊富な6年根
高麗人参は栽培年数によって、1年根から6年根までの6つの等級に分けられます。栽培年数が長いものはそれだけ根が大きく、有効成分も豊富に含まれています。
6年を過ぎると根が固くなり、病害や虫害の危険性も高まるため、7年以上の栽培は行われていません。このため、高麗人参は6年根が最高級品とされます。
多くの6年根は、皮の有効成分を生かせるように紅参に加工されます。それに対して、白参は4年根が多く使用されます。6年根の紅参は最高級品とされ値段も高価ですが、有効成分を最も多く含んでいます。
多くの有効成分を摂取したい場合は、6年根の紅参を選びましょう。
煎じる道具は何を使う?
高麗人参を煎じる場合、水が少ないと有効成分が十分に溶け出さないので、多目の水で煎じます。そのため、大きめのやかんや鍋などを使用します。高麗人参を煎じると独特の匂いが器具に残るため、気になる場合は普段の料理などに使わない器具を選びましょう。
鍋の材質はステンレスやアルミ製で構いませんが、土瓶は熱の伝わり方が穏やかで機密性も高く、用意できる場合は土瓶がお勧めです。なお、鉄製や銅製の器具は避けてください。
高麗人参の本場である韓国では、漢方薬を煎じるための専用のガラス製家電製品も一般的に利用されています。日本でも通信販売などで入手できるため、利用したい場合は購入を検討してみましょう。
高麗人参の煎じ方
高麗人参の煎じ方は、以下の通りです。
(1) 水1リットルに対して、高麗人参を20gの割合で入れます。さらに乾燥したナツメを3、4個、ショウガを1片程度入れるのが一般的です。これらを加えると飲みやすくなり、お勧めです。
(2) 水の量が半分から1/3程度になるまで、2時間程度火にかけます。高麗人参の有効成分ジンセノサイドは泡立ちやすい性質をもつため、ふきこぼれないように弱火でじっくりと煎じます。
(3) 熱いうちに茶こしやガーゼなどで漉します。出来上がったお茶は、ガラスのビンなどに入れて冷蔵庫で保存します。保存したものを飲むときには、再度加熱して温めなおした方が飲みやすくなります。
高麗人参は3回程度煎じて成分を抽出することができます。貴重な高麗人参ですので、1回煎じた高麗人参を捨ててしまわず、有効成分を余すところなく利用しましょう。
効果的な飲み方と注意点
高麗人参茶の飲み方には、いくつかのポイントがあります。
空腹時に飲む
漢方薬は一般的に空腹時に飲むのが良いとされています。高麗人参は古くから漢方薬として利用されており、高麗人参茶も空腹時に飲むと効果が高まるといわれます。これは、高麗人参に含まれる有効成分のジンセノサイドが、胃酸が強く働く空腹時に効率的に吸収されるためです。
高麗人参茶は、食事の30分以上前や、食後2時間以上経過した空腹時に飲むのがお勧めです。
複数回に分けて飲む
高麗人参茶は、1日2-3回に分けて飲みます。
高麗人参には水に溶けやすい性質をもったビタミンCやビタミンB群が含まれています。これらは身体に貯めておけず、一度に多く摂取しても身体の外に排出されてしまいます。これらのビタミンの有効利用には、こまめに摂取するのが効果的です。
また、高麗人参茶は摂取量の明確な目安がないため、身体の調子をみながら自分で飲む量を調節する必要があります。数回に分けて飲んでいると、こうした摂取量の調節を細かく行うことができます。
飲み始めは体調変化に注意
高麗人参茶を初めて飲む場合は、身体の調子をみながら少しずつ試していきます。大量に飲むと、まれに動悸やめまいが起こることがあるため注意が必要です。
高麗人参茶を飲み始めて身体にあらわれる変化としては、便通が良くなることが知られています。ほかにも食欲の変化や睡眠の調子などに注意して、変化がなければ少し量を増やしてみるなど、体調の変化を確認しながら分量を調節してください。
飲みやすくする工夫
高麗人参茶の独特の苦味が気になる場合は、はちみつや砂糖、レモンなどを加えると飲みやすくなります。
また、冷やした状態よりも人肌程度に温めた方が飲みやすく、胃腸を冷やさないのでお勧めです。保存してある高麗人参茶を飲む場合は、再度温めてから飲みましょう。
続けることが何より大事
高麗人参の効果は数回飲んだだけでは実感しにくく、継続してこそ効果が十分に発揮されます。高麗人参の高い健康効果を得るためには、飲む習慣をつけて、長期間継続するのが大切です。
簡単に作れる高麗人参茶もある
お湯に混ぜるだけの粉末タイプや、ティーバッグの高麗人参茶も販売されています。粉末タイプには、ブドウ糖などに高麗人参のエキスを吸着させて、甘く飲みやすくした製品もあります。
高麗人参を煎じる時間がとれない場合などは、こういった製品を利用するのも選択肢のひとつです。
高麗人参茶の効果
高麗人参には、疲労回復・血行促進・免疫力向上・ストレス軽減といった数多くの健康効果があり、更年期障害や生活習慣病の予防・改善にも効果的な成分が豊富に含まれています。
また、肌の新陳代謝を活発にして美しい肌をつくる効果や、ダイエット効果がある成分も含まれています。高麗人参茶は美容にも効果的です。
煎じて飲む高麗人参茶は、こうした高い健康効果や美容効果をもつ高麗人参の成分を効率的に摂取できるお勧めの利用法です。
まとめ
高麗人参を煎じて飲む高麗人参茶は、古くから行われてきた高麗人参の伝統的な利用法です。煎じる高麗人参には、できれば有効成分が豊富な6年根の紅参を選びましょう。多目の水でゆっくりと煎じ、1日に複数回に分けて、空腹時に飲むのがお勧めです。高麗人参の高い健康効果は、継続的に摂取してこそ十分に発揮されます。
健康的な毎日を送るために、高麗人参茶を試してみることをお勧めします。
【参考文献】
高麗人参茶の口コミ
https://www.mt-kaihatu.jp/it6.html