妊娠中・授乳中の高麗人参の摂取
高麗人参には高い健康効果と美容効果があり、妊娠中や授乳中の体調管理のために摂取したいと考える人が多くいます。しかし、現在の日本では、妊娠中や授乳中の高麗人参の摂取は原則として控えるべきとされています。
妊娠中は体調変化が起こりやすいデリケートな時期です。また、妊娠中・授乳中に摂取したものは、赤ちゃんの健康に大きな影響を及ぼします。妊娠中・授乳中に高麗人参を摂取したい場合は、自己判断することなく、事前に医師に相談することが大切です。
妊娠中の高麗人参の摂取
妊娠中に摂取したものは、お腹の中の赤ちゃんの健康状態に影響を及ぼします。このため、タバコやアルコールを控えるのはもちろん、薬などの服用も医師や薬剤師に相談して慎重に行う必要があります。
高麗人参は健康食品ですが、健康状態に影響を与える成分が豊富に含まれているため、妊娠中の摂取には十分に注意すべきです。
一般的に妊娠中の摂取は控えるべきとされている
・日本では摂取を避けるべきとされている
現在の日本では、妊娠中の高麗人参の摂取は控えるべきとされています。
国立健康・栄養研究所の『「健康食品」の安全性・有効性情報』においても、高麗人参について、「妊娠中・授乳中および小児に対する安全性については信頼できるデータがないので使用を避ける」と記載されています。
・中国や韓国では妊娠中も摂取されている
妊娠中の摂取は避けるべきとされていますが、妊婦や胎児に悪影響を及ぼす成分が高麗人参に含まれているわけではありません。高麗人参には貧血の改善効果や血行を促進する効果があり、中国や韓国では母体の健康増進に役立つとされ、妊娠中でも盛んに摂取されています。
・十分なデータがないのが摂取を避ける理由
妊娠中に摂取を控えるべきとされているのは、「信頼できるデータがない」のが理由です。
医療の分野では、安全性の確認が不十分なものは使用しないという原則があります。
妊婦や授乳中の赤ちゃんを対象とした実験は、倫理面から行うことが難しく、安全性を確認するための十分なデータが得られていません。このため、高麗人参の妊娠中の摂取は、日本では避けるべきとされています。
妊娠中に高麗人参を飲み始めるのはリスクがある
妊婦に害を与える成分が含まれていないといっても、妊娠中に高麗人参を新たに飲み始めるのはリスクがあります。高麗人参には体調変化をもたらす成分が豊富に含まれており、飲み始めた際に「好転反応」と呼ばれる一時的な体調不良の症状が起こる場合があります。
妊娠中は通常の健康状態ではなく、体調不良を起こしやすいデリケートな時期です。好転反応は回復に向かう過程で起こる身体の正常な反応ですが、妊娠中は急な体調変化のリスクを極力避けるべきです。
妊娠中に高麗人参を新たに飲み始めるのは、避けたほうが良いでしょう。
妊娠前から摂取していた場合は医師に相談
高麗人参には、貧血を予防する効果や血行を促進する効果などの、不妊の改善に役立つ多くの効果があります。このため、不妊の改善目的で高麗人参を摂取しており、妊娠後も体調管理のために摂取を継続したいと考える人もいるでしょう。
この場合は、妊娠中の高麗人参の摂取について医師に相談するようにしてください。妊娠中は体調変化が起こりやすく、体調に影響を与える健康食品などの摂取を自己判断するのはリスクがあります。妊娠が確認できた時点で、高麗人参などの健康食品の摂取に関して医師に相談し、必ずその指示に従うようにしてください。
授乳中の高麗人参の摂取
妊娠中と同じく、日本では授乳中の高麗人参の摂取も控えるべきとされています。こちらも、赤ちゃんに悪影響を及ぼす成分が含まれているわけではなく、安全性を確認できる十分なデータがないためです。
万一の体調変化を考えると摂取を控えるのが無難ですが、どうしても授乳中に高麗人参を摂取したい場合は、必ず医師に相談するようにしてください。
妊娠中・授乳中は自己判断せず医師に相談
以上のように、現在の日本では、原則として妊娠中・授乳中の高麗人参の摂取は控えるべきとされています。これは、「安全性の確認が不十分なものは使用しない」という原則に基づく判断です。
妊娠中はデリケートな時期であり、思わぬ体調変化が起こる場合があります。また、妊娠中や授乳中に摂取したものは、赤ちゃんの健康状態に大きな影響を及ぼします。高麗人参を飲み始めると急な体調変化が起こる可能性があり、こうした時期に新たに摂取を始めるのは避けるのが無難です。
妊娠前から高麗人参を摂取していて、妊娠後も摂取を継続したい場合は、妊娠が確認できた時点で必ず医師に相談して、その指示に従うようにしてください。
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