高麗人参の好転反応とは？

高麗人参には高い健康効果や美容効果があり、古くから貴重な薬草として珍重されてきました。高麗人参には高い効果がありますが、高麗人参を飲み始めた際に一時的に身体の不調が起こる場合があります。こうした反応は「好転反応」と呼ばれ、身体が回復に向かう過程で起こる正常な反応です。高麗人参の好転反応について解説します。

好転反応とは

好転反応は身体の正常な反応

好転反応とは、もともとは東洋医学の按摩や鍼で使われる用語で、身体が回復に向かう過程で起こるさまざまな症状を意味します。「好転するための一過性の反応」という意味で、好転反応と呼ばれます。

漢方医学においては、漢方薬を飲み始めた際にこうした一時的な体調変化が起こる場合があるという考えが一般的です。漢方薬として古くから利用されている高麗人参でも、こうした反応が起こる場合があります。
好転反応は回復に向かう際の身体の正常な反応であり、漢方薬の悪影響などによる症状ではありません。

瞑眩反応とも呼ばれる

好転反応は「瞑眩(めんけん)反応」とも呼ばれます。
瞑眩とは東洋医学の用語で、漢方薬などを飲んだ際に予期しなかった症状が起こることをいいます。瞑眩という言葉は中国最古の歴史書である『書経』にもみられ、「薬は瞑眩しなければその病は癒えない」と記載されています。
好転反応は、東洋医学において古くから確認されていた正常な身体の反応です。

好転反応はなぜ起こるのか

好転反応は俗に「毒出し」ともいわれます。
体調不良の状態では、毛細血管の詰まりや慢性的な炎症によって、血液やリンパ液の流れが滞っています。これにより、内臓を中心とした身体全体に老廃物や毒素が多く蓄積しています。

高麗人参などの摂取によって身体が回復に向かうと、全身の血行が改善します。血行が良くなると蓄積していた老廃物や毒素が血液によって運ばれ、排出されるまで体内を移動します。こうした血液中の老廃物や毒素の上昇が、一時的な体調不良である好転反応を引き起こします。

代表的な好転反応

高麗人参を摂取し始めたときに起こる代表的な好転反応の症状をご紹介します。なお、身体の反応は人によって異なり、これら以外の症状が起こる場合もあります。また、好転反応は必ず起こるというわけでもありません。体調不良が起こらず、健康効果だけを実感できる人も多くいます。

・動悸や身体のほてり
高麗人参には血行を促進する成分が豊富に含まれており、血流を改善します。その影響で、飲み始めた際に動悸や身体のほてりを感じやすくなる場合があります。
以前は、高麗人参は血圧を上昇させると考えられており、高血圧の人は摂取を控えるべきとされていました。現在では、高麗人参には血圧を正常値に戻す作用があることが研究で確認されています。
高麗人参を飲み始めた際に一時的に動悸や身体のほてりを感じても、過度に心配する必要はありません。

・眠気や倦怠感
高麗人参には血行を促進する効果があるため、高麗人参を飲み始めると身体に蓄積していた老廃物や毒素が血液中に多く流れ出します。その結果、一時的に眠気や身体の倦怠感が強くなる場合があります。老廃物や毒素が体外に排出されれば、こうした症状は治まります。

・肌のかゆみ
血液中の毒素や老廃物が一時的に増える影響で、肌のかゆみが発生する場合や、皮膚炎の症状が悪化する場合があります。これも毒素が体外に排出されるまでの一時的な症状なので、過度に心配する必要はありません。
好転反応は通常1-2週間程度で治まります。長期間症状が続く場合は、ほかの原因によって皮膚症状が悪化している可能性もあるため、医師に相談するようにしてください。

・下痢や利尿作用
高麗人参を飲み始めると、高麗人参の血行促進作用によって腸の動きが活発になり、便が柔らかくなることがあります。また、そうした反応が強く起こると、下痢の症状が起こる場合もあります。
さらに、尿の量が増えてトイレが近くなる場合もあります。こうした利尿作用は、血液中に増えた毒素や老廃物を早く排出するために起こると考えられています。
こうした反応は一時的なものですが、下痢などの症状が重い場合は、摂取量を減らすか一時的に摂取を中断して、症状が治まってから再開すると良いでしょう。

・胃の不調
高麗人参を飲み始めた際に、一時的に胃の不快感などが起こる場合があります。
高麗人参には血行を促進する高い効果があり、胃の活動を活発にします。それまで活動が停滞していた胃が急に活性化されることで、こうした胃の不調が起こります。

・頭痛
高麗人参には血管を拡張して血流をスムーズにする成分が含まれています。こうした成分の作用によって急に頭部の血流が多くなり、その影響で一時的に軽い頭痛が起こる場合があります。血行が良くなると脳の活動が活発になり、血行不良による頭痛も起こりにくくなるため、こうした症状は身体が回復に向かう好転反応の代表例といえます。
ただし、ほかの病気によって頭痛が起こっている可能性もあるため、頭痛がひどい場合や長期間続く場合は、必ず医師に相談してください。

好転反応への対処法

好転反応は身体が回復に向かう際の一時的な反応です。過度に心配する必要はありませんが、症状が重い場合や不安な場合は、以下の対処法を試してみましょう。

・量を減らす
好転反応が強く起こる場合は、摂取量を半分にするなど一時的に摂取量を減らしてみましょう。症状が治まれば、徐々に摂取量を元に戻していきます。

・摂取を中断する
症状がつらい場合は、一旦摂取を中断するのもひとつの手です。体調を良くするために飲んだものが原因で体調不良を起こしては本末転倒です。無理せず中断し、症状が治まってから少しずつ摂取を再開しましょう。

・飲むタイミングを変える
好転反応の症状によっては、飲むタイミングを変えてみるのも有効です。例えば眠気や倦怠感を感じる場合は、朝に飲んでいたものを夜に変更すると、昼の活動に影響せず寝つきが良くなります。また、漢方薬は通常空腹時に飲むものですが、胃の不調を感じる場合は、胃の負担の少ない食後に飲むという手もあります。

・医師やメーカーに相談
好転反応は一般的な身体の反応ですが、高麗人参の摂取とは別の原因で体調不良が起こっている場合もあります。不安がある場合や症状が続く場合は、商品を購入したメーカーへ問い合わせてみるか、医師に相談してみることをお勧めします。

好転反応はいつ起こるか

好転反応は多くの場合、高麗人参などを飲み始めてから1週間以内に発生し、1-2週間程度の短期間で症状が治まります。
ただし、身体が回復に向かうタイミングで起こるものなので、身体の反応が遅れた場合は、飲んでしばらく経ってから好転反応が起こることもあります。
また、摂取を継続して体調が改善していく過程で、何度か好転反応が起こる場合もあります。

症状が長く続く場合は医師に相談

好転反応は通常1--2週間程度の短期間で治まり、長引くことはあまりありません。症状が長く続いている場合は、医師に相談することをお勧めします。

また、特定の症状が起こっても、それが好転反応によるものなのか、ほかの病気などによるものなのかは、医学的な知識がない人には判断ができません。不安を感じる場合は、迷わずかかりつけの医師に相談しましょう。相談した上で好転反応だと分かれば、安心して摂取を継続することができます。

飲み始めの注意点

高麗人参を飲み始めると一時的に体調不良が起こる場合があります。好転反応は正常な身体の反応ですが、重い体調不良の症状を避けるために、飲み始める際は注意が必要です。

・摂取の目安量を守る
高麗人参は、大量に摂取すれば効果が上がるというものではありません。サプリメントや漢方薬などで摂取する目安量が記載されている場合は、必ずその指示に従いましょう。高麗人参は適正量を継続的に摂取することが重要です。また、飲みすぎると体調不良の症状が強く現れる場合があります。

・最初は少しずつ試す
高麗人参を煎じてお茶として飲む場合などは、摂取量を自分で決める必要があります。その場合は、最初は少量ずつ摂取することをお勧めします。身体の調子をみながら少しずつ摂取量を増やしていくことで、急激な体調変化を避けることができます。

高麗人参は安全な健康食品

高麗人参は、約2000年前に記された中国最古の薬物書『神農本草経』にも記載があり、長く摂取しても健康に害のない養命薬とされています。高麗人参は古くから貴重な薬草として広く利用され、その高い効果と安全性が長年の経験から確認されています。
また、高麗人参に含まれるジンセノサイドなどの成分には毒性がないことが、現代の研究によって明らかになっています。

高麗人参を飲み始めたときに一時的に体調不良が起こる場合がありますが、それは身体が回復に向かう際の正常な反応です。高麗人参は、継続的に摂取できる安全性の高い健康食品です。

まとめ

好転反応は、漢方薬などを飲み始めた際に起こる一時的な体調不良の症状のことで、回復に向かう際の身体の正常な反応です。好転反応は身体の毒素が排出されるまでの短期間発生し、通常1-2週間で治まります。過度に心配する必要はありませんが、ほかの原因で体調不良が起こることもあるため、症状が長引く場合や不安な場合は医師に相談することをお勧めします。
高麗人参は古くから効果の高い薬草として珍重されてきました。好転反応が起こる場合があることを考慮し、最初は少しずつ摂取して身体を慣らしながら、高麗人参を日々の生活に取り入れていくことをお勧めします。

【参考文献】
高麗人参の好転反応
https://www.sowaholidaymarket.com/sideeffect.html