関節リウマチに効果的な高麗人参
関節リウマチは、関節が炎症を起こし、進行すると関節が変形してしまう疾患です。関節の激しい痛みとともに倦怠感や食欲不振などの全身症状を起こし、生活の質を大きく低下させます。
古くから万能薬として利用されてきた高麗人参には、関節リウマチの症状を緩和する効果や、予防に役立つ効果、関節リウマチによる健康悪化を抑制する効果があり、関節リウマチに対してとても効果的です。
関節リウマチは免疫機能の異常が原因
・関節リウマチは自己免疫疾患
関節リウマチは、免疫機能の異常によって起こります。免疫機能は本来、外部から侵入してきた異物を排除して身体を守るための機能です。この免疫機能に異常が起こると、自分の特定の細胞を異物と認識してしまい、身体を守るための免疫機能が自分の組織を攻撃します。こうした自己免疫によって炎症が起こり、関節や骨が破壊されるのが関節リウマチです。
・関節リウマチは女性に多い
関節リウマチは老年の病気と思われがちですが、発症のピーク年齢は30-50歳代です。男性よりも女性に多くみられ、女性は男性の4倍程度関節リウマチになりやすいといわれています。
・関節リウマチは早期の治療が重要
現在、抗リウマチ薬の発達によって、関節リウマチの治療は目覚しい進歩を遂げています。完治する治療法は現段階ではありませんが、適切な治療を受けてリハビリや体調管理を行うことで、症状の進行を大きく抑制することができます。
高麗人参には、関節リウマチの症状を緩和する効果や、関節リウマチによる健康悪化を防ぐ効果があり、関節リウマチの治療に役立ちます。
関節リウマチの予防・改善に役立つ高麗人参の効果
古くから万能薬として利用されてきた高麗人参には、数多くの健康効果があります。その中には、関節リウマチの症状改善や予防に役立つ効果が存在しています。
血行促進
・血行は関節リウマチの症状緩和に重要
血流の悪化は、関節リウマチの痛みを強くする要因のひとつです。患部が腫れている場合や熱をもっている場合は患部を冷やすことが重要ですが、それ以外のときには温めて血行をよくすると痛みが和らぎます。
また、関節リウマチは手足の血行不良を引き起こし、手足の冷えはリウマチ患者の悩みの種です。
身体の血行促進は、関節リウマチの症状緩和や生活の質の向上にとってとても重要です。
・高麗人参は血管を拡張する
高麗人参には、血管を広げて血行を促進する成分が豊富に含まれています。
アミノ酸のアルギニンは、体内で一酸化窒素を生成する材料になります。一酸化窒素は、血管周辺の筋肉を弛緩させて血管を拡張するシグナルとして機能する物質です。アルギニンには血行を促進する高い効果があります。
また、アミノ酸のグリシンにも、血管を拡張する作用があります。
さらに、ミネラルのマグネシウムにも動脈を弛緩させて血管を広げる作用があります。
高麗人参はこれらの成分を身体に補い、血流をスムーズにします。
・高麗人参は血液をサラサラにする
高麗人参には、血液をサラサラにして血行を促進する成分が含まれています。
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、血液中の脂質を減少させる作用があります。
また、アルギニンには成長ホルモンの分泌量を増やす作用があります。成長ホルモンには脂質の代謝を促進する作用があり、血液中の脂質を減少させます。
さらに、高麗人参には、脂質の代謝を行う肝臓の機能を高める効果があります。高麗人参は肝臓を健康にして血液中の脂質を減らし、血液をサラサラにします。
このように、高麗人参には血行を促進する高い効果があります。高麗人参は血行を促進して、関節リウマチの症状を緩和します。
・関節リウマチの症状を緩和する効果が実験でも確認されている
関節リウマチに対する高麗人参の効果は、実験でも確認されています。
松山赤十字病院の臨床研究において、関節リウマチ患者に高麗人参を投与したところ、血行が促進されて手の温度が上昇したことがサーモグラフィーによって確認されています。また、高麗人参の摂取によって自覚症状も改善し、生活の質の向上がみられたことも報告されています。
抗炎症作用
関節リウマチは関節に炎症が起こる疾患です。高麗人参の成分には、炎症を抑制する抗炎症作用があります。
・抗炎症作用をもつ成分が豊富
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには30以上の種類があり、そのうちジンセノサイドCK・Rh1・PPT・Roには抗炎症作用があることが確認されています。
また、閉経後の女性を対象とした大規模な調査によって、マグネシウムの摂取が多いほど、炎症を起こす物質の血中濃度が低いことが確認されています。マグネシウムは炎症の抑制に効果的です。
さらに、亜鉛には強い抗炎症作用があることが、複数の研究によって確認されています。
高麗人参には強い抗炎症作用をもつこれらの成分が豊富に含まれており、炎症の抑制に役立ちます。
・炎症を抑制する効果を確認した実験報告がある
男子学生に運動負荷を与え、血液中の炎症性の物質の増加に対する高麗人参の効果を調べた実験が中国で行われました。その結果、高麗人参を摂取したグループは、摂取しなかったグループに比べて、炎症を起こすIL-6と呼ばれる物質の血中量が低下したことが報告されています。
IL-6は、関節リウマチの炎症の原因となる物質でもあります。この実験により、体内の炎症性の物質を減少させる高麗人参の効果が確認されています。
このように、高麗人参には炎症を抑制する抗炎症作用があります。高麗人参は、関節リウマチの症状緩和に役立ちます。
抗酸化作用
抗酸化作用とは、活性酸素を中和する作用のことです。活性酸素には炎症を悪化させる作用があり、活性酸素を減少させる体内の抗酸化物質の濃度が高いほど、関節リウマチの炎症が抑制されることが研究で確認されています。
高麗人参に含まれる成分には、活性酸素を中和する強い抗酸化作用があり、関節リウマチの症状を緩和します。
・活性酸素は炎症を悪化させる
活性酸素は、ほかの物質を酸化する力が非常に強い酸素のことで、日々の呼吸によって体内で発生します。活性酸素はウイルスの処理などに利用される身体に不可欠な物質ですが、体内で過剰になると健康な細胞や組織にまで酸化ストレスを与えてしまい、細胞の老化や組織の炎症を引き起こします。
活性酸素がプロテインキナーゼと呼ばれる酵素を活性化して、炎症の原因となる物質の産生を促進することが、科学技術振興機構(JST)の研究によって確認されています。
炎症を抑制するためには、体内の過剰な活性酸素を減らすことが重要です。
・抗酸化物質が関節リウマチに効果的
近年の疫学研究によって、活性酸素を減らす抗酸化物質の血液中の濃度が高いほど、血液中の炎症性の物質が少なく、関節リウマチの症状が抑制されることが明らかになっています。
また、抗酸化物質の摂取量と関節リウマチの発症との関連を調べるために、29,000人以上を対象とした11年間の追跡調査が行われました。その結果、抗酸化物質を多く摂取していた人は、あまり摂取していない人に比べて、関節リウマチの発症率が低かったことが報告されています。
さらに、関節リウマチの前段階ともいえる炎症性関節炎と抗酸化物質の摂取に関する研究が行われ、抗酸化作用をもつビタミンCの摂取が炎症性関節炎の発症リスクを低下させることが報告されています。
抗酸化物質の摂取が関節リウマチの症状改善と予防に効果的なことが、こうした研究によって確認されています。
・高麗人参の成分には強い抗酸化作用がある
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、活性酸素を中和する強い抗酸化作用があります。また、高麗人参には、炎症性関節炎の予防に効果的とされるビタミンCも含まれています。
こうした抗酸化作用をもつ成分の摂取は、炎症を抑制して症状を緩和するとともに、関節リウマチの予防にも効果的と考えられています。高麗人参は、関節リウマチの予防・改善にとても効果的です。
・活性酸素を減らす身体の機能を補助する成分が含まれている
人間の身体には、増えすぎた活性酸素を中和する機能が備わっています。
SOD酵素(Superoxide dismutase、スーパーオキシドディスムターゼ)は活性酸素を中和する働きがある酵素で、脳や肝臓、心臓などに高濃度で存在しています。
SOD酵素の機能には亜鉛・銅・鉄などのミネラルが深く関係しており、これらのミネラルは活性酸素を中和するSOD酵素の働きに不可欠です。
高麗人参には亜鉛・銅・鉄が豊富に含まれています。高麗人参はSOD酵素の働きを補助して体内の余分な活性酸素を減らし、関節リウマチの予防・改善に役立ちます。
免疫機能を調整する
身体の免疫機能は、自律神経の働きによって調整されています。高麗人参には自律神経のバランスを整える高い効果があり、免疫機能を正常に保ちます。関節リウマチは免疫機能の異常によって起こるため、自律神経を整える高麗人参の効果は、関節リウマチの予防・改善に役立ちます。
・自律神経は免疫機能を調整する神経
自律神経は、内臓の機能や血圧、ホルモンの分泌といった身体の機能を24時間無意識のうちに調整している神経です。自律神経は、活動時や昼間に活発になる交感神経と、休息時や夜間に活発になる副交感神経に分けられ、両者がバランスをとりながら機能しています。
ストレスなどで自律神経のバランスが乱れると、免疫細胞のバランスが崩れ、免疫力の低下やアレルギーなどの免疫機能の異常が起こります。また、自律神経の乱れは内臓機能の低下や精神不安、不眠といった心身の不調の原因にもなります。
・高麗人参は自律神経を調整する
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには30以上の種類があり、それぞれが特徴的な作用をもっています。
ジンセノサイドは神経の興奮を抑えるジオール系や、神経を刺激するトリオール系などに分類されます。ジオール系とトリオール系には全く逆の作用がありますが、これらは相殺されることなく体内で機能します。交感神経が過度に活発なときにはジオール系が強く作用して興奮を抑え、副交感神経が過度に優位な場合はトリオール系が強く作用して交感神経を刺激します。
こうしたジンセノサイドの作用により、高麗人参は自律神経のバランスを正常に保ちます。
・高麗人参は免疫機能の異常を防ぐ
自律神経のバランスが整うと、自律神経によって調整されている身体の機能が正常化されます。免疫機能は自律神経によって調整されており、高麗人参の効果によって免疫機能の異常も修正されます。
免疫機能の異常によって起こる症状にアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状があり、アレルギーを予防・改善する高麗人参の効果は、研究でも確認されています。
免疫機能が自分の細胞を攻撃してしまう自己免疫に対する高麗人参の効果を確認した実験はまだありませんが、免疫機能を正常化する効果は、関節リウマチを引き起こす自己免疫の抑制にも効果的と考えられています。
・高麗人参は代表的なアダプトゲン
こうした自律神経を調整して身体の調子を整える効果があるため、高麗人参は代表的なアダプトゲンとして知られています。
アダプトゲンとは、心身のストレスを軽減して、標準値から外れた身体の機能を正常な状態に修正する作用のある薬草のことです。アダプトゲンには冬虫夏草・甘草・アマチャヅルなどがあり、高麗人参はその中でも効果の高い代表例とされています。
高麗人参はアダプトゲンとして体内で作用し、免疫機能の異常を修正して、関節リウマチの予防・改善に役立ちます。
細菌に対する抵抗力を高める
関節リウマチの発症には、細菌やウイルスが関係しているといわれています。高麗人参には、免疫機能を調整して細菌やウイルスに対する身体の抵抗力を高める効果があり、関節リウマチの発症リスクを低下させます。
・関節リウマチの発症には細菌の感染が関与している
関節リウマチは免疫機能に異常が起こることで発症します。この免疫機能の異常は、遺伝による体質にウイルスや細菌などによる刺激が加わることによって起こると考えられています。
例えば、関節リウマチ患者にはマイコプラズマ・ファーメンタンス(mycoplasma fermentans)と呼ばれる細菌の感染者が多いことが明らかになっており、原因のひとつと推察されています。
・関節リウマチには歯周病菌も関係している
歯周病菌と関節リウマチの関係も注目されています。
関節リウマチの発症前には、体内で抗CCP抗体と呼ばれる抗体が産生されます。歯周病菌の一種に、この抗体の産生を引き起こす毒素を発生させるものがあり、関節リウマチの発症と深く関係していることが、京都大学の研究で報告されています。
また、この研究では、歯周病をもつ関節痛患者は歯周病のない患者と比べて、関節リウマチを発症するリスクが約2.7倍高くなることが報告されています。
さらに、新潟大学の研究において特定の歯周病菌をマウスに投与したところ、腸内細菌の構成が変化して炎症性の物質の産生が促進され、関節炎が悪化したことが報告されています。
・高麗人参は細菌やウイルスに対する抵抗力を高める
高麗人参には免疫機能を調整している自律神経を正常に保つ効果があり、免疫力を高く保ちます。これにより、細菌やウイルスに対する身体の抵抗力が高まります。
また、高麗人参に含まれる成分には、体内に侵入した細菌やウイルスを処理する免疫細胞の働きを活性化する作用があります。
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、主要な免疫細胞であるナチュラルキラー細胞を活性化する作用があります。同じく高麗人参に含まれるアルギニンやアルカロイドには、免疫細胞のマクロファージの働きを活発にする作用があります。
このように、高麗人参は細菌やウイルスに対する身体の抵抗力を高めます。高麗人参は細菌の感染を防ぎ、関節リウマチの発症リスクを低下させます。
ホルモン分泌の正常化
関節の炎症の抑制には、ホルモンの働きも重要です。高麗人参にはホルモンの分泌を正常化する効果があり、関節リウマチの症状緩和に役立ちます。
・副腎皮質ホルモンは炎症を抑制する
腎臓の上には副腎と呼ばれる臓器があり、数多くのホルモンが副腎から分泌されています。副腎から分泌される副腎皮質ホルモンには、炎症を抑制するものがあります。
関節リウマチの治療には、炎症を抑制するためにステロイド剤が補助的に利用されています。ステロイド剤は、副腎皮質ホルモンを人工的に合成したものです。
現在はアレルギー症状の治療などにも利用されているステロイド剤ですが、もともとは関節リウマチの特効薬として使用されたものです。副腎皮質ホルモンを発見・抽出した3人の研究者が、1950年にノーベル賞を受賞しています。
このように、副腎皮質ホルモンには炎症を抑制する強い作用があり、関節リウマチの症状緩和にはこのホルモンの適切な分泌が重要です。
・高麗人参はホルモンの分泌を正常化する
自律神経を司る中枢は、脳の視床下部と呼ばれる部位であり、視床下部にはホルモンの分泌を調整する役割もあります。このため、自律神経とホルモンバランスは密接に関係しており、自律神経が乱れるとホルモンの分泌に異常が生じます。
高麗人参には自律神経のバランスを整える高い効果があり、ホルモンの分泌を正常化します。高麗人参は副腎皮質ホルモンの分泌を正常に保ち、関節リウマチによる関節の炎症を抑制します。
腸内環境を整える
近年の研究により、関節リウマチと腸内環境が密接に関係していることが明らかになっています。高麗人参には腸内環境を改善する効果があり、関節リウマチの予防や症状改善に役立ちます。
・腸内環境が関節リウマチに影響を及ぼしている
近年の多くの研究により、腸内環境が関節リウマチの発症や症状の悪化に関係していることが明らかになっています。
関節リウマチ患者の腸内細菌は、健常者の腸内細菌と菌の構成が大きく異なることが、大阪大学などの複数の研究によって報告されています。
また、関節リウマチ患者に対して特定の乳酸菌を投与し、腸内環境を改善させたところ、関節リウマチの症状が改善したとの実験報告があります。
さらに、腸内の悪玉菌が放出する毒素をラットに投与したところ、免疫機能に異常が起こり、関節の炎症が悪化したとの実験報告があります。
こうした多くの研究によって、腸内環境の改善が関節リウマチの予防や症状の改善に効果的なことが明らかになっています。
・高麗人参は胃腸を健康にする薬草
高麗人参は古くから胃腸を健康にする薬草として利用されてきました。
東洋医学における高麗人参の効果をまとめた「高麗人参七効説」では、高麗人参に「健脾止瀉(けんぴししゃ)」の効果があるとされています。健脾止瀉とは、胃腸を健康にして下痢を止める効果のことです。
・高麗人参は腸内環境を整える
腸の働きは、自律神経によって調整されています。ストレスなどで自律神経が乱れると、下痢や便秘を伴う過敏性腸症候群などの腸の不調が起こります。高麗人参には自律神経のバランスを整える効果があり、腸を健康に保ちます。
また、高麗人参の血行促進効果は、腸の働きや粘膜の再生を活発にして、腸の健康増進に役立ちます。
こうした効果により、高麗人参は腸を健康にして乳酸菌などの善玉菌を増やし、腸内環境を改善します。高麗人参は腸内環境を改善することで、関節リウマチの発症や症状の悪化を抑制します。
・関節リウマチは胃腸障害を伴うことが多い
関節リウマチは関節の強い痛みを発生させるため、患者には強いストレスがかかります。また、痛み止めを服用している場合が多く、その影響から胃腸炎を発症してしまう関節リウマチ患者が多くいます。
胃腸を健康に保つ効果がある高麗人参は、関節リウマチに伴う胃腸障害の予防・改善に役立ち、関節リウマチによる生活の質の低下や健康悪化を防ぎます。
ストレス軽減
ストレスは、関節リウマチを悪化させる要因のひとつです。高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、ストレスによる関節リウマチの悪化を防ぎます。
・ストレスは関節リウマチを悪化させる
ストレスは自律神経の交感神経を強く刺激します。このため、ストレスは自律神経のバランスを乱して、免疫機能の異常が発生するリスクを高めます。
また、ストレスを感じると体内で大量の活性酸素が発生します。活性酸素は炎症の主要な原因物質であり、強いストレスは関節リウマチの症状を悪化させます。
・高麗人参はストレスを軽減する薬草
高麗人参は古くから精神を安定させる薬草として珍重され、ストレスを軽減する高い効果があります。約2000年前に記された中国最古の薬物書『神農本草経』には、高麗人参に「精神を安んじ、魂魄を定める」効果があると記載されています。
また、東洋医学における高麗人参の効果をまとめた「高麗人参七効説」においても、高麗人参にストレスを軽減する「養心安神(ようしんあんしん)」の効果があるとされています。
・ストレス軽減効果が研究でも確認されている
高麗人参のストレス軽減効果は研究でも確認されており、高麗人参にストレスに対する抵抗力を高める効果があるとする研究報告が、ブルガリアとロシアの研究機関によって行われています。
また、ストレス性の胃腸炎を予防・改善する効果や、ストレスによる運動能力の低下を抑制する効果が、複数の動物実験によって確認されています。
このように、高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があります。高麗人参はストレスによる免疫機能の異常や、関節リウマチの症状悪化を防ぎます。
関節リウマチによる健康悪化を抑制する高麗人参の効果
関節リウマチは、関節の痛みとともに、倦怠感や精神不安などの心身の不調を引き起こします。また、関節リウマチ患者は内臓疾患や骨粗しょう症などを併発しやすいことが報告されています。高麗人参には、こうした関節リウマチによる健康悪化を抑制する効果があります。
精神を安定させる
・関節リウマチは心の病気を引き起こす
関節リウマチは関節に強い痛みを発生させるため、患者には強いストレスがかかります。また、関節のこわばりなどによって日常生活に悪影響が及び、将来への不安などから、うつ病や自律神経失調症などの心の病気を発症するケースが多くみられます。
関節リウマチの治療には、こうした心の疾患の予防や治療も重要です。
・高麗人参は精神を安定させる
高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、古くから精神を安定させる薬草として珍重されてきました。高麗人参のストレス軽減効果は、現代の研究でも確認されています。
また、高麗人参には自律神経のバランスを正常に保つ効果があり、ストレスや自律神経の乱れによって起こる自律神経失調症などの心の疾患の発症を防ぎます。
・高麗人参はうつ病の予防・改善に役立つ
高麗人参に含まれるビタミンB群は、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の生成に不可欠な成分です。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させる作用があります。こうした神経伝達物質の不足が、うつ病などの心の病気の原因ともいわれています。
また、高麗人参にはドーパミンやノルアドレナリンなどの材料になるアミノ酸のチロシンや、セロトニンを増やす作用があるグリシンが含まれています。
さらに、カルシウムやマグネシウムには神経の情報伝達を正常に保つ作用があり、セロトニンなどの神経伝達物質の働きを助けます。
高麗人参はこうした成分を身体に補い、神経伝達物質の生成を促して、うつ病の予防に役立ちます。高麗人参は関節の炎症だけでなく、関節リウマチが原因で起こる心の不調の予防・改善にも役立ちます。
血栓を防ぐ
関節リウマチは血栓の発生リスクを増加させることが、複数の大規模な調査によって確認されています。血栓は身体の健康に重大な悪影響を及ぼし、脳や心臓の血管に血栓が発生すると、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。
高麗人参には、血液中の脂質を減少させる成分が豊富に含まれており、血液をサラサラにして血栓を防ぎます。
また、高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、タンパク質分解酵素のプラスミンの働きを活性化する作用があります。プラスミンには血栓を溶かす作用があり、血栓の発生リスクを低下させます。
高麗人参には血栓を防ぐ効果があり、関節リウマチによって増加した脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを低下させます。
睡眠の改善
・関節リウマチの治療には睡眠が重要
関節リウマチは、痛みだけでなく全身が消耗する疾患であり、睡眠による十分な休息が必要です。しかし、関節リウマチを発症すると、痛みやストレスなどから睡眠の質が低下しがちです。
睡眠不足の状態では自律神経の交感神経が活発になり、交感神経の働きは血管を収縮させるため、血行が悪化します。血行悪化は関節リウマチの痛みを強めるため、さらに睡眠の質が低下するという悪循環が起こります。
・高麗人参には安眠効果のある成分が含まれている
高麗人参には、安眠効果で知られるアミノ酸のグリシンとセリンが含まれています。これらを就寝前に摂取させたところ、寝つきや睡眠の途中で起きる回数、睡眠の満足度といった睡眠の質が大幅に向上したとの複数の実験報告があります。
高麗人参は安眠効果のある成分を身体に補い、睡眠の質を高めます。
・高麗人参はストレスを軽減して質の良い睡眠を促す
ストレスを感じると、副腎皮質刺激ホルモンのコルチコトロピンが分泌されます。このホルモンはストレスに対抗するために必要ですが、その一方で睡眠を阻害する作用があります。このため、ストレスは睡眠の質を低下させます。
高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、コルチコトロピンの分泌量を減少させます。高麗人参は睡眠を阻害するホルモンの分泌を抑制して、質の良い睡眠を促します。
このように、高麗人参には睡眠を改善する効果があります。高麗人参は、睡眠不足による関節リウマチの症状悪化や体調不良を防ぎます。
疲労回復
・関節リウマチは疲労感を引き起こす
関節リウマチの症状のひとつに、全身の疲労感があります。疲労感が強まる要因としては、関節の強い痛みによる精神疲労や筋肉の緊張、血液中の炎症性の物質の増加などが挙げられます。
・高麗人参には高い疲労回復効果がある
高麗人参は滋養強壮に効果的な薬草として古くから利用され、疲労を回復する高い効果があります。
高麗人参の疲労回復効果はヨーロッパでも高く評価されており、ドイツの薬用植物の評価委員会である「コミッションE」は、疲労時や衰弱時、病後の回復期などに効果的な強壮剤として、高麗人参を認定しています。
高麗人参は疲労を回復して身体に活力を補い、関節リウマチによる全身の疲労感を緩和します。
骨を丈夫にする
・関節リウマチは骨粗しょう症を引き起こす
関節リウマチ患者は骨粗しょう症の合併率が高いことが知られています。
関節リウマチによって血液中の炎症性の物質が増加すると、古い骨の細胞を壊す破骨細胞の働きが活性化されます。また、痛みなどによって運動量が低下するため、骨の密度が低下して骨粗しょう症が起こりやすくなります。
関節リウマチの患者は、関節リウマチでない人に比べて、大腿骨の骨折リスクが1.51倍、骨盤の骨折リスクが2.56倍高いという調査報告もあります。
・高麗人参は骨粗しょう症の予防に役立つ
丈夫な骨の形成には、女性ホルモンのエストロゲンの作用が深く関係しています。このため、エストロゲンの分泌量が急減する更年期以降の女性は、骨粗しょう症の発症率が高まります。
高麗人参の成分には、体内でエストロゲンと似た働きをするエストロゲン様作用があることが、研究によって確認されています。高麗人参はエストロゲンの作用を補い、骨密度の低下を防ぎます。
また、高麗人参には骨の形成に重要なカルシウムとマグネシウムが含まれています。
・骨を丈夫にする効果が実験でも確認されている
ラットに高麗人参を摂取させたところ、体内のエストロゲン濃度の上昇や、ビタミンDの吸収率の向上がみられたとする近畿大学東洋医学研究所の実験報告があります。ビタミンDには、骨の材料になるカルシウムの吸収を促進する作用があります。
また、骨粗しょう症を発症させたラットに高麗人参を投与したところ、骨密度が上昇したとする複数の実験報告があります。
このように、高麗人参には骨を丈夫にする効果があります。高麗人参は関節リウマチによる骨粗しょう症の進行を抑制して、骨を丈夫に保ちます。
貧血予防
・関節リウマチは貧血を引き起こす
関節リウマチの患者は、貧血になりやすいことが知られています。関節リウマチによって増加する血液中の炎症性の物質は、骨髄で行われる赤血球の生成を阻害します。また、関節リウマチによる胃腸障害や食欲不振などの影響で、赤血球の生成に必要な栄養素が不足することも原因のひとつと考えられています。
・赤血球の生成を促進する成分が豊富
高麗人参には、赤血球の生成に不可欠な成分が豊富に含まれています。
鉄は、赤血球を構成するヘモグロビンの主要な材料です。
亜鉛と銅は、赤血球の生成に関わる酵素の構成成分であり、赤血球の生成に欠かせません。
葉酸とビタミンB12は「造血のビタミン」と呼ばれ、赤血球の生成を促進します。葉酸とビタミンB12のどちらかでも不足すると、赤血球の生成が滞って悪性貧血が起こります。また、ビタミンB6には赤血球の生成を促進する作用があります。
高麗人参はこれらの成分を身体に補い、赤血球の生成を促進します。
・貧血を予防する効果が実験でも確認されている
赤血球は、骨髄にある造血幹細胞が分化することでつくられます。この造血幹細胞のDNAとタンパク質の合成を高麗人参の成分が促進し、細胞の分裂率を約2倍に高めたとする千葉大学医学部の研究報告があります。
また、大阪大学の研究でも、赤血球やヘモグロビンの量を増加させる高麗人参の効果が確認されています。
このように、高麗人参には赤血球を増やす高い効果があります。高麗人参は関節リウマチによる貧血を防いで、身体を健康に保ちます。
内臓を健康に保つ
・関節リウマチは内臓疾患の原因になる
関節リウマチが起こると、内臓疾患の発症リスクが高まります。
内臓に関わる関節リウマチの合併症としては、肺の組織に炎症が起こる間質性肺炎や、心臓を包む膜に炎症が起こる心膜炎などが知られています。また、関節リウマチによって慢性腎臓疾患の発症リスクが高まるとする研究報告があります。
・高麗人参は内臓の健康増進に役立つ
高麗人参は、古くから内臓の健康増進に役立つ薬草として利用されてきました。約2000年前に記された中国最古の薬物書『神農本草経』には、高麗人参に「五臓を補う」効果があると記載されています。五臓とは、肺・心臓・脾臓(ひぞう)・肝臓・腎臓のことです。
高麗人参には内臓の機能を調整する自律神経を整える効果や、内臓の血行を促進する効果、内臓の炎症を抑制する効果などがあり、内臓の健康増進と内臓疾患の予防にとても効果的です。
高麗人参は内臓を健康に保つことで、関節リウマチよって高まった内臓疾患のリスクを低下させます。
糖尿病の予防・改善
・ステロイド剤の長期使用は糖尿病のリスクを高める
関節リウマチの治療には、抗リウマチ薬の補助としてステロイド剤が一般的に用いられています。ステロイド剤には炎症を抑制する高い効果がありますが、血糖値を上昇させる効果もあるため、長く使用していると糖尿病の原因になります。
ステロイド剤の利用によって、糖尿病を発症するリスクが1.48倍高まるとする研究報告もあります。
・高麗人参は糖尿病の予防・改善に役立つ
高麗人参には血糖値を抑制するインスリンの分泌を促進する効果や、インスリンの効き目を高める効果があり、糖尿病の予防・改善にとても効果的です。
高麗人参は血糖値を抑制するインスリンの機能を補助して、ステロイド剤の使用によって上昇した糖尿病の発症リスクを低下させます。
関節リウマチに効果的な栄養素が含まれている
関節リウマチの炎症の抑制には、活性酸素を減少させる抗酸化作用をもつ成分の摂取が効果的です。高麗人参には抗酸化作用をもつジンセノサイドとビタミンCが含まれており、関節リウマチの症状を改善します。
このほかにも、高麗人参には関節リウマチに対して効果的とされる栄養素が含まれています。
・ビタミンB6
ビタミンB6は水溶性ビタミンの一種で、ピリドキシンとも呼ばれます。
関節リウマチ患者に対してビタミンB6を1日100mg、12週間摂取させたところ、ビタミンB6を摂取しなかった患者に比べて血液中の炎症性の物質が減少し、炎症が抑制されたとする研究報告があります。
高麗人参にはビタミンB6が豊富に含まれています。高麗人参はビタミンB6を身体に補い、関節リウマチの炎症を抑制します。
・亜鉛
亜鉛は、身体で機能する多くの酵素の構成成分であり、身体に不可欠なミネラルです。
亜鉛には強い抗炎症作用があることが研究で確認されているほか、活性酸素を中和する酵素の働きを助ける作用があります。このため、亜鉛は関節リウマチの炎症を抑制します。
また、亜鉛は免疫機能にも深く関係しています。
マウスに対して亜鉛を投与したところ、免疫機能の異常による自己免疫疾患の発症が抑制されたとする実験報告があります。
さらに、自己免疫による関節炎を発症させたマウスに対して亜鉛を摂取させたところ、亜鉛を摂取しなかったマウスに比べて症状が抑制されたとする実験報告があります。
関節リウマチは自己免疫が原因で起こる疾患です。こうした研究により、亜鉛は関節リウマチに効果的と考えられています。高麗人参は亜鉛を身体に補い、関節リウマチの予防・改善に役立ちます。
まとめ
関節リウマチは、強い痛みや関節の変形を発生させ、生活に大きな支障をきたす疾患です。高麗人参には、血行促進効果や炎症を抑制する効果などの、関節リウマチの症状改善に役立つ多くの効果があります。
また、関節リウマチは免疫機能の異常が原因で起こるため、免疫機能を正常化する効果をもつ高麗人参は、関節リウマチの予防・改善に効果的と考えられています。
さらに、高麗人参がもつ多くの健康効果は、関節リウマチによって起こる心身の不調の症状を緩和し、生活の質の低下を防ぎます。
高麗人参は古くから万能薬として珍重されてきました。関節リウマチに対する高い効果をもつ高麗人参を、日々の生活に取り入れてみることをお勧めします。