高麗人参には独特の匂いがある
高麗人参は古くから滋養強壮に効果的な薬草として珍重され、高い健康効果や美容効果があります。「良薬口に苦し」という言葉の通り、高い効果をもつ高麗人参には強い苦味があります。また、苦味とともに独特の匂いがあり、その匂いを苦手とする人もいます。高麗人参の匂いや、匂いが気にならない摂取方法について解説します。
高麗人参は「土臭い」
高麗人参の匂いは、「土臭い」、「漢方薬の匂い」、「薬臭い」などと表現されます。特に生の高麗人参には、土臭い独特の匂いが強く存在しています。
高麗人参は、根の部分が薬草として利用されます。高麗人参の栽培には非常に長い時間がかかり、通常4-6年間土の中で栽培されたものが採取されます。高麗人参は育成の過程で土の栄養素を根こそぎ吸い取ってしまうといわれており、それに伴って土の匂いが根に強く残っています。
日本人に身近な土臭い野菜としては、同じく根の部分が食用とされるごぼうが挙げられます。ごぼうの土臭さをより強くしたものといえば、高麗人参の風味をイメージしやすいかもしれません。
野菜のニンジンとは全く違う匂い
高麗人参には「ニンジン」という言葉が入っていますが、野菜として食べられているニンジンとは全く違う植物です。高麗人参はウコギ科トチバニンジン属の多年草で、野菜のニンジンはセリ科の植物です。
ニンジンにも特有の風味がありますが、高麗人参の風味とは全く別のものです。また、ニンジンには強い甘味があり、苦味はほとんどありません。高麗人参には強い苦味があり、土臭さや薬品に似た匂いがあります。
高麗人参の特徴的な匂いを好む人もいる
高麗人参の匂いを苦手に感じる人がいる一方で、その独特な風味が「いかにも健康に良い」と感じられて、好ましく思う人もいます。また、濃いブラックコーヒーや漢方薬を飲み慣れている人の中には、高麗人参の苦味や匂いが気にならないという人もいます。
さらに、最初は匂いや味が苦手で、甘味や強い香りがするものを混ぜて高麗人参を摂取していたところ、独特の風味に慣れて、ほかのもので風味をごまかさなくても飲めるようになったという人もいます。
高麗人参には独特の匂いと味がありますが、万人に嫌われているわけではありません。
乾燥加工されたものは匂いが弱め
高麗人参は生のもののほか、乾燥加工されたものが流通しています。サプリメントなどの健康食品の材料として使われる高麗人参は、この乾燥加工されたものが中心です。
生の高麗人参には土臭い風味が強く残っていますが、乾燥加工することでその匂いは大きく軽減されます。乾燥加工された高麗人参には、苦味とともに後味に香ばしさが残る風味があります。このため、匂いが苦手な場合は、生の高麗人参ではなく乾燥加工されたものを利用するのもひとつの手です。
ただし、乾燥加工したものにも強い苦味が残っています。高麗人参の苦味は特有の成分であるジンセノサイドの味であり、高麗人参の高い効果に欠かせません。
高麗人参の風味が気になりにくい利用法
「良薬口に苦し」といっても、苦手な風味のものは口に入れにくいものです。高麗人参の風味が苦手な場合は、強い味や香りのするものを混ぜるなど、味や匂いが気になりにくい利用方法を試してみることをお勧めします。
料理に使う
生の高麗人参は、ほかの野菜と同じように料理に使用されます。高麗人参の独特の匂いは調理することによって軽減され、多くの場合あまり気にならなくなります。
高麗人参を使った料理としては、韓国料理のサムゲタンが有名です。サムゲタンは、内臓を取り出した鶏に高麗人参、もち米、ニンニク、ショウガ、松の実、乾燥ナツメなどを詰めて水で煮込んだ料理です。ニンニクやショウガといった風味の強いものと一緒に調理することで、高麗人参の独特の匂いや味が気にならなくなります。
また、日本では天ぷらや漬物にも利用されています。こちらも加熱調理などの過程で、土臭い風味が緩和されます。
生の高麗人参は、料理に使うと風味があまり気にならなくなります。
香りが強いものを混ぜる
高麗人参の古くからの利用法として、煎じてお茶として飲む方法があります。高麗人参茶は独特の風味と苦味が強いため、煎じる際に一緒にショウガや乾燥ナツメを入れる方法が一般的です。また、飲むときにも蜂蜜や砂糖、レモンなどを加える人が多くいます。これらを入れることで、独特の風味が緩和されて飲みやすくなります。
生の高麗人参や乾燥加工された高麗人参の利用法として、お酒に漬けて高麗人参酒をつくるのも一般的です。こちらも飲むときに蜂蜜やショウガ汁、レモンなどを混ぜると飲みやすくなります。
飲み物や料理に混ぜる
乾燥加工した高麗人参を粉末状にしたものや、濃縮したエキスを瓶詰にした製品が数多く流通しています。これらには高麗人参特有の風味が残っており、特に強い苦味があります。
こうした製品を摂取する場合は、そのままでは飲みにくいので、飲み物や食べ物に混ぜる方法が一般的です。
飲み物に混ぜる場合は、リンゴやオレンジなどの香りの強いジュースに溶かすと、高麗人参の風味が気にならなくなります。また、ココアやコーヒー、スムージー、スープなどに混ぜる利用法も一般的です。
粉末やエキスの高麗人参はさまざまな料理にも使用されており、特に味や香りの強い料理に使用するのがお勧めです。甘く調理するホットケーキやパウンドケーキなどに混ぜる利用法も人気があります。
高麗人参を使ったお菓子で風味を体験
高麗人参の栽培には多くの時間と手間がかかるため、乾燥加工した高麗人参や高麗人参のエキスなどはそれなりの値段がします。このため、高麗人参の風味を体験してみたいと思っても、こうした製品を購入するのはやや敷居が高いと感じる人がいるかもしれません。
そんな場合は、高麗人参を使った飴などのお菓子を購入してみるのもひとつの手です。
高麗人参を使ったお菓子がある
高麗人参は飴やガム、ゼリーなどのお菓子に使用されており、韓国では一般的なお菓子です。これらは韓国のメーカーの製品が多いですが、日本でも韓国製品の専門店や通販などで簡単に購入できます。
これらには通常のお菓子とあまり変わらない値段の商品も多数あり、気軽に購入できるというメリットがあります。
風味を体験するには高麗人参飴がお勧め
高麗人参を使ったお菓子の中でも、特に高麗人参飴には数多くの商品があります。高麗人参飴には、独特の風味が強く残ったものから、砂糖やミントを加えてのど飴のように食べやすくしたものまで多くの種類があり、好みの商品を選べます。
こうした飴で高麗人参の風味を体験しておけば、味や匂いが原因で摂取を続けられず、高額な高麗人参を無駄にするリスクを避けることができます。また、こうしたお菓子を食べているうちに、独特の味や匂いに慣れて気にならなくなるケースもあります。
高麗人参の風味を体験してみたい場合は、まずは高麗人参飴などのお菓子を購入してみてはいかがでしょうか。
風味が気になる場合はサプリなどの健康食品を利用
高麗人参の匂いや味が苦手な場合は、サプリメントなどの健康食品を利用するのがお勧めです。
サプリは錠剤やカプセルの形になっており、水でそのまま飲むだけなので味や匂いが気になりません。また、高麗人参を使用した健康食品としては栄養ドリンクなども人気で、こうした商品には味や匂いを調整して飲みやすくしたものが数多くあります。
高麗人参は続けることが大事
高麗人参には高い健康効果や美容効果があり、その効果は身体の調子を整えながらゆっくりと発揮されます。このため、短期間の摂取では効果が実感しにくく、長期間継続的に摂取することが重要です。
匂いや味が気になって摂取を続けられないと、高麗人参の効果を十分に得ることができません。高麗人参の高い効果を得るために、高麗人参の匂いや味が苦手な人は、風味が気にならないサプリなどの健康食品を利用するのがお勧めです。
まとめ
高麗人参には、「土臭い」、「薬臭い」などと表現される独特の匂いと苦味があります。こうした風味を好む人もいますが、一般的にはやや飲みにくい風味とされています。このため、香りや味の強いものと一緒に摂取する方法が一般的です。また、サプリなどの健康食品を利用すれば、風味を気にすることなく高麗人参の高い効果を得ることができます。
高麗人参には高い健康効果や美容効果があり、継続的に摂取することが重要です。風味を気にせずに摂取できるよう工夫をしつつ、高麗人参を日々の生活に取り入れてみることをお勧めします。