高麗人参の価格は高い?安い?
高麗人参は古くから希少な薬草として珍重されてきました。1本100万円以上で取引された例もあり、「高麗人参は高い!」というイメージをもっている人が多いかもしれません。
しかし、高麗人参のサプリメントには1日分の価格が100円未満のものもあり、手ごろな値段で購入できる商品が数多くあります。また、効果や栽培にかかる手間を考えると、現在の高麗人参の価格は非常に安いといえます。
高麗人参の価格は実は安い
高級品のイメージがある高麗人参ですが、これまでの歴史や栽培の手間、高い効果を考えると、現在は非常に割安な価格で取引されていることがわかります。
歴史的にみると今は格安
・一般人には手の届かない薬だった
高麗人参は、古くから効果の高い希少な薬草として珍重されてきました。
主な産地であった朝鮮半島では高麗人参が国家によって独占され、王侯貴族専用の薬や貿易品として利用されてきました。一般の民衆は、いくらお金を出しても購入できませんでした。
・江戸時代には高価でありながら人気を集めた
日本でも江戸時代に高麗人参が大流行し、当時は高価な輸入品であったにも関わらず、購入する人があとを絶ちませんでした。高麗人参を買うために娘を売る親や、盗みを働く人も現れたといいます。
分不相応な薬を購入することを戒めた「人参飲んで首括る」といったことわざや、金に糸目をつけずに治療する「人参で行水」といった言葉も当時生まれています。
・歴史的にみると現在の値段は非常に安い
古くから人気を集めた理由は、高麗人参に高い効果があるためです。
現在は、こうした高い効果をもつ高麗人参を、ほかの健康食品とあまり変わらない値段で誰でも購入できます。高麗人参が珍重されてきた歴史を考えると、今の値段は格安といえます。
高麗人参の栽培には時間と手間がかかる
高麗人参の栽培には、非常に長い時間と多くの手間がかかります。その労力を考えると、現在の価格は割安です。
・高麗人参の栽培には長い時間が必要
高麗人参の栽培においては土づくりが重要とされ、通常1-3年かけて行われます。その後に種がまかれ、4-6年間育成されたものが収穫されます。
また、高麗人参は土の養分を根こそぎ吸い取ってしまうため、収穫した畑で再度高麗人参を栽培する前に土地を休める必要があります。以前はこの休耕期間が10年以上必要とされており、栽培法の研究が進んだ現在でも、少なくとも数年間は土を休ませる必要があります。
高麗人参の栽培には、非常に長い年月が必要です。
・高麗人参は栽培が難しい
高麗人参は栽培が難しい作物としても知られています。古くから栽培法の研究が行われていたにも関わらず、栽培できるようになったのは18世紀初頭です。
高麗人参は発芽が難しく、研究が進んだ現在でもほかの作物と比べて発芽率は低いままです。病気や害虫に弱く、化学肥料や農薬も苦手としているため、雑草などの除去に多くの手間がかかります。
さらに、強すぎる日差しも枯れてしまう原因になるため、日よけなどの設置が欠かせません。
高麗人参の長い栽培期間中には、非常に多くの手間がかかります。このため、高麗人参の価格は高くならざるを得ず、現在の取引価格はむしろ非常に安いといえます。
安価で購入できる商品も多い
高級品のイメージがある高麗人参ですが、安めの価格で購入できる商品も多く販売されています。特に高麗人参を配合したサプリメントには、1日あたりの価格が100円未満で継続できる商品もあります。
高麗人参には高い健康効果や美容効果があり、そうした効果を考えると、現在の流通価格は割安といえるでしょう。
高麗人参の価格を決める要因
高麗人参には、非常に高価なものから比較的安価なものまで多くの種類があります。高麗人参の価格に影響を与える要因をご紹介します。
産地
高麗人参の価格は、産地によって大きな差があります。これは、有名な産地の高麗人参には有効成分が多く含まれているためです。産地ごとの有効成分の含有量の違いは、成分分析で確認されています。
有効成分を多く含み、高い効果が期待できる有名な産地の高麗人参は、比較的高めの値段で取引されています。
なお、栽培されたものではなく山から採れた高麗人参は「山参(サンサム)」と呼ばれ、希少性と効果の高さから非常に高い値段で取引されています。現在は数が激減してほとんど採れませんが、中には1本数百万円の値段で取引されたものもあります。
形状
高麗人参は、形状によって値段が左右されます。一般的に、「人の姿」に似ていて根が太いものが高値で取引されています。
ほかの野菜などと同じく、形がいびつなものは価格が安くなります。形状によって効果が大きく変わるわけではないので、成分の摂取が目的の場合は、形にこだわらない方が安く購入できます。
栽培年数
高麗人参は、通常4-6年間土の中で育成されたものが収穫されます。6年目までは栽培年数が長くなるほど有効成分が増え、それに伴って価格も高くなります。7年目以降は有効成分があまり増えず、病気などにも弱くなるため、通常は7年以上の栽培は行われていません。
高麗人参の6年根は、多くの成分を含んだ高級品です。
加工法
高麗人参の加工法は、おおまかに2種類に分けられます。
ひとつは皮を剥いてから乾燥させる方法で、この方法で加工されたものは「白参(はくじん)」と呼ばれます。もうひとつは皮を剥かずに加熱処理してから乾燥させる方法で、加工品は「紅参(こうじん)」と呼ばれます。
高麗人参の有効成分は皮に多く含まれています。有効成分を多く含む紅参は、白参よりも高値で取引されています。
サプリメントは比較的安価
高麗人参の栽培には多くの手間と時間がかかるため、ほかの健康食品に比べると価格が高くなりがちです。しかし、錠剤のサプリメントや粉末状のものは、比較的安価で取引されています。こうした価格の安さには、サプリや粉末には形状の悪い高麗人参も使えることが関係しています。
形が悪くても含有成分はあまり変わりません。高麗人参を健康と美容に役立てるのが目的の場合は、サプリメントや粉末状の製品を利用すれば価格を抑えることができます。
ただし、あまりに安い商品の場合は、粗悪品や偽物の高麗人参が配合されている可能性もあります。価格の安すぎる商品は、購入を避けた方が良いでしょう。
まとめ
高級品のイメージが強い高麗人参ですが、歴史的にみると現在は非常に安い価格で取引されています。また、高麗人参の栽培にかかる時間や手間を考えると、現在の価格は格安といえます。
高麗人参の価格は、産地・形状・栽培年数・加工法などによって変化します。健康や美容に役立てるのが目的の場合は、比較的安価で購入できるサプリメントを利用するのがおすすめです。