生理痛の緩和に高麗人参が効果的

生理の悩みは、女性なら誰もが経験します。その中でも、生理痛は多くの女性を悩ませています。日常生活に支障をきたすほど生理痛が強い人や、痛み止めが手放せない人も多くいます。
高麗人参には身体の血行を促進して身体を温める効果などがあり、生理痛の緩和にとても効果的です。また、高麗人参には、女性を悩ませるPMS(月経前症候群)の症状緩和にも役立つ成分が含まれています。高麗人参は、生理の悩みをもつ女性に特にお勧めしたい健康食品です。
生理痛やPMSの症状緩和に役立つ高麗人参の効果について解説します。

血行を促進して生理痛を緩和する

血行不良による身体の冷えは生理痛を悪化させ、お腹を中心とした身体を温めることが生理痛の緩和に役立つことはよく知られています。
高麗人参には身体を温める血行促進効果があり、つらい生理痛の症状を緩和します。

血行不良は生理痛の原因になる

・プロスタグランジンが生理痛を起こす
生理(月経)は、妊娠せずに不要になった子宮内膜がはがれ落ちて、血液とともに体外に排出されることをいいます。このとき、子宮内ではプロスタグランジンと呼ばれる物質が分泌されます。
プロスタグランジンには、子宮を収縮させて経血を体外に押し出す作用があります。また、痛みを強く感じさせる作用や、炎症を起こす作用もあります。このため、プロスタグランジンが過剰に分泌されると、子宮の強い収縮や炎症が発生し、生理痛が起こります。

・血行不良が生理痛を強める
子宮の血行が悪いと、経血の体外への排出が滞ります。このため、身体が冷えて血行が悪化している状態では、経血の排出を促進するためにプロスタグランジンが多く分泌され、強い生理痛が起こります。
プロスタグランジンの分泌を抑制して生理痛を緩和するには、身体を温めて子宮の血行を促進することが重要です。

高麗人参は血行を促進する

漢方医学において、高麗人参には「温」の性質があるとされ、身体を温める高い効果が古くから確認されています。高麗人参は血行を促進して身体を温め、つらい生理痛を緩和します。

・高麗人参は血管を拡張する
高麗人参に含まれるアルギニンとグリシンには、血管を拡張する作用があります。特にアルギニンは、血管を拡張するシグナルとして機能する一酸化窒素の材料となる成分です。
また、ミネラルのマグネシウムにも、動脈を弛緩させて血流をスムーズにする効果があります。

・高麗人参は血液をサラサラにする
高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには、血液中の脂質を減少させる作用や、血栓を防いで血液を固まりにくくする作用があります。また、アルギニンには、脂質の代謝を促進する成長ホルモンの分泌量を増やす作用があります。さらに、高麗人参には脂質の代謝に必要なビタミンB群が豊富に含まれています。
これらの成分には血液中の脂質を減らす作用があり、血液をサラサラにします。

このように、高麗人参には血行を促進する成分が豊富に含まれています。高麗人参は血行を促進することでプロスタグランジンの過剰分泌を防ぎ、つらい生理痛を緩和します。

自律神経のバランスを正常に保つ

自律神経失調症の症状のひとつに生理痛があります。自律神経の乱れは、強い生理痛を引き起こします。
高麗人参には自律神経のバランスを整える効果があり、自律神経の乱れを原因とする生理痛を防ぎます。

自律神経の乱れは生理痛を強める

自律神経は、血液の流れや内臓の機能を24時間無意識のうちに調整している神経です。自律神経は活動時に活発になる交感神経と、休息時に活発になる副交感神経に分けられ、両者がバランスをとりながら機能しています。

自律神経を調整しているのは脳の視床下部という部位で、視床下部にはホルモンの分泌を調整する働きもあります。このため、自律神経のバランスとホルモンバランスは密接に関係しています。ストレスなどで自律神経のバランスが乱れると、血行悪化や女性ホルモンのバランスの乱れが生じて、強い生理痛の原因になります。

ジンセノサイドが自律神経を整える

高麗人参特有の成分であるジンセノサイドには30以上の種類があり、神経の興奮を抑えるジオール系や、神経を刺激するトリオール系などに分類されます。
ジオール系とトリオール系には全く逆の作用がありますが、これらは相殺されることなく体内で機能します。交感神経が過度に活発なときにはジオール系が強く働いて興奮を抑え、副交感神経が過度に優位な場合はトリオール系が強く作用して交感神経を刺激します。
こうしたジンセノサイドの作用により、高麗人参は自律神経の乱れを防ぎます。高麗人参は、自律神経の乱れによる生理痛の予防にとても効果的です。

生理痛を悪化させるストレスを軽減する

ストレスは、自律神経の交感神経を強く刺激して自律神経のバランスを乱します。このため、ストレスは血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こして、生理痛を悪化させます。
高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、ストレスによる強い生理痛を防ぎます。

ストレスは痛みを強くする

ストレスは自律神経を乱すだけでなく、脳が痛みを強く感じる原因になります。
健康な脳では、痛みの信号が伝わるとドーパミンなどの神経伝達物質が分泌され、それに反応してオピオイドと呼ばれる鎮痛作用をもつ物質も放出されます。これにより、痛みの感覚が緩和されます。
しかし、強いストレスや不安を長期間感じていると、ドーパミンなどの神経伝達物質が分泌されにくくなり、オピオイドの放出も抑制されます。その結果、脳が痛みを強く感じるようになります。

生理痛はそれ自体が強いストレスです。生理に対する不安感や嫌悪感は、生理痛をより強めてしまいます。生理痛の緩和には、ストレスを軽減してリラックスすることがとても重要です。

高麗人参はストレスを軽減する

・高麗人参はストレスを軽減する薬草
高麗人参は古くから精神を安定させる薬草として珍重され、ストレスを軽減する高い効果があります。
約2000年前に記された中国最古の薬物書『神農本草経』には、高麗人参に「精神を安んじ、魂魄を定める」効果があると記されています。
東洋医学における高麗人参の効果をまとめた「高麗人参七効説」においても、高麗人参には「養心安神（ようしんあんしん）」の効果があるとされています。養心安神とは、神経の働きを助けて精神を安定させる作用のことです。

・高麗人参はストレスを軽減するアダプトゲン
高麗人参は、代表的なアダプトゲンとしても知られています。アダプトゲンとは、心身のストレスを軽減して、標準値から外れた身体の機能を正常な状態に戻す作用のある薬草のことです。アダプトゲンにはアマチャヅル・冬虫夏草・マカなどがあり、高麗人参はその中でも効果の高い代表例とされています。

高麗人参はストレスを軽減する薬草として有名です。高麗人参はストレスを軽減して心身をリラックスさせ、つらい生理痛を緩和します。

睡眠を改善して生理痛を和らげる

睡眠不足は生理痛の原因のひとつです。高麗人参には睡眠の質を高める効果があり、睡眠不足による生理痛の悪化を防ぎます。

睡眠は生理痛の緩和に重要

睡眠中は自律神経の副交感神経が活発になり、副交感神経の働きは血管を拡張させます。このため、睡眠不足の状態では副交感神経の働きが抑制され、血行が悪化して生理痛の原因になります。
また、女性ホルモンは睡眠中に多く分泌されるため、睡眠不足は生理痛を悪化させるホルモンバランスの乱れを引き起こします。
十分な睡眠は、生理痛の予防にとても重要です。

高麗人参は睡眠を改善する

・睡眠を阻害するホルモンの分泌を抑制する
ストレスを感じると、ストレスに対抗するために副腎皮質刺激ホルモンのコルチコトロピンが分泌されます。このホルモンはストレスから身体を守るために必要ですが、その一方で睡眠を阻害する作用があります。
高麗人参にはストレスを軽減する高い効果があり、コルチコトロピンの分泌を抑制します。高麗人参はストレスを軽減することで、睡眠の質を高めます。

・安眠効果のあるアミノ酸が含まれている
高麗人参には、安眠効果で知られるアミノ酸のグリシンとセリンが含まれています。これらを就寝前に摂取させたところ、寝つきや睡眠の満足度などの睡眠の質が大幅に改善したとの複数の実験報告があります。
高麗人参は睡眠を改善して女性ホルモンの分泌や血液の循環を促進し、生理痛を緩和します。

生理痛の緩和に効果的な成分が含まれている

生理痛などの症状が日常生活に支障が出るほど強い状態を、月経困難症といいます。
月経困難症に関しては栄養学的な研究が行われており、高麗人参にも含まれている成分が症状の緩和に有効とされています。

・マグネシウム
マグネシウムの摂取は、月経困難症の緩和に効果的とされています。
月経困難症患者30名に対して、マグネシウムを1日あたり365mg、1回の月経サイクルのうち10日間摂取させる実験を約5ヶ月間行ったところ、月経サイクルの回数を追うごとに生理痛が緩和されたとの研究報告があります。

・ビタミンB群
ビタミンB群の摂取も、生理痛の緩和に重要です。
ビタミンB群は、傷みの緩和に重要なドーパミンなどの神経伝達物質の生成に不可欠な成分です。こうした神経伝達物質が不足すると、脳が痛みを強く感じてしまいます。ビタミンB群は神経伝達物質の生成を促進して、痛みを軽減します。

ビタミンB群の効果は実験でも確認されており、月経困難症患者にビタミンB1を1日あたり100mg、3ヶ月間摂取させたところ、生理痛が改善したとのインドの実験報告があります。

高麗人参には、月経困難症に効果的とされるマグネシウムとビタミンB群が含まれています。高麗人参はこれらを身体に補い、生理痛を緩和します。

PMS(月経前症候群)にも効果的な高麗人参

高麗人参は生理痛だけでなく、PMS(Premenstrual Syndrome、月経前症候群)に対しても効果的です。

女性を悩ませるPMS

PMSは月経前症候群とも呼ばれ、生理の1-2週間前から起こる身体の不調の症状を意味します。PMSの症状には、腰痛・倦怠感・精神不安・抑うつ感・不眠などのさまざまな心身の不調があります。
PMSの明確な原因は特定されていませんが、女性ホルモンの分泌量の変動や、脳で機能する神経伝達物質の分泌量の低下が影響していると考えられています。

高麗人参はPMSの症状を緩和する

・PMSに効果的な成分が含まれている
イギリス月経前症候群協会（NAPS）のガイドラインでは、PMSの治療に際して、ビタミンB6・カルシウム・マグネシウムの摂取が効果的とされています。
ビタミンB6は女性ホルモンのエストロゲンの代謝に関わり、ホルモンバランスを調整する作用があります。マグネシウムとカルシウムには神経の働きを正常化する作用があり、神経伝達物質の働きを助けます。
高麗人参にはこれらの成分すべてが含まれており、PMSの症状改善に役立ちます。

・ホルモンバランスの乱れを防ぐ
自律神経の乱れはホルモンバランスの乱れを引き起こします。このため、自律神経が乱れた状態や強いストレスを感じている状態では、PMSの症状が悪化することが知られています。
高麗人参には自律神経のバランスを調整する効果や、ストレスを軽減する高い効果があり、PMSの症状緩和に役立ちます。

また、高麗人参には睡眠の質を改善する効果があり、睡眠中に行われる女性ホルモンの分泌を促進します。高麗人参は、PMSの原因とされるホルモンバランスの乱れを防ぎます。

・神経伝達物質の生成を促進する
高麗人参に豊富に含まれるビタミンB群は、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質の生成に不可欠です。また、高麗人参には神経伝達物質の材料となるアミノ酸のチロシンも含まれています。
高麗人参はこれらの成分を身体に補うことで、PMSの原因とされる神経伝達物質の不足を防ぎます。

まとめ

高麗人参には、血行を促進して身体を温める効果があり、血行不良による生理痛を防ぎます。また、高麗人参には自律神経を調整する効果などの生理痛の緩和に役立つ効果があるほか、月経困難症を改善する成分も含まれています。さらに、高麗人参は女性を悩ませるPMSの症状緩和にも効果的です。
高麗人参は、生理に関する悩みに対してとても効果的です。生理痛やPMSの症状を緩和して、いきいきとした毎日を送るために、高麗人参を日々の生活に取り入れてみることをお勧めします。